apoPTOSIS:mod.HB

最近は写真日記。

ペルージャの現状(2)

 例えば賃貸である。イタリアでは未だにフラットタイプが多く、日本のようなワンルームタイプは一般的ではない。フラットを数人で借りることになり、簡単に言えばキッチン、トイレ・バス共同の一人部屋が基本となる。それ以外に一つの部屋に二人で住んだり、カップル、夫婦用のワンルームに一人で住んだりする方法がある。ここペルージャでは一人部屋200〜300ユーロが相場だろうか。最近では300ユーロを越すところが多い。参考までに希少なワンルームの値段は350〜600である。
 ペルージャ以外から来ている学生のほとんど(内外共に)はペルージャ中心街に近いアパートを借り、地元の人間はバス、車を使って大学に来るのが普通である。イタリア人学生の場合、平日はペルージャに、週末は実家に帰るケースが多い。ペルジーノも中心街から外れに住んでいる場合が多く、週末の中心街は実家の遠い学生と外国人だけが残ることになる。
 とにかく、月に300ユーロは賃貸に消える。それ以外に学費。外国人大学の場合には月に235ユーロ。僕が通うペルージャ大学の場合は、月々決まった学費ではなくて、学生の親の収入に応じて税金を払うことになるが、最高でも年間900ユーロほど。外国人の場合は年間600ユーロくらいになるので、月々50ユーロ。これは日本の大学に較べたら破格だろう。
 つまり外国人の場合は500ユーロが月々の基本出費になる。イタリア人の場合でも賃貸と学費で350ユーロ。そしてテキストなどの教材と食費でこれに350ユーロが月々かかることを考えると、結果として外国人で850ユーロ、イタリア人でも700ユーロ。既にイタリア人の平均収入に近い。
 親元に住むペルジーノの場合は、学費と教材だけで収めることができるが、大学に歩いて来れる距離では無いので交通費がかかる。月に250ユーロあればこと足りると思うが、それでも子供一人当たり親の収入の4分の1の出費になるが、もちろんこれは食費や生活費を除いた数字であるために、現実にはそれ以上ということになる。
 リラからユーロに移行したために、以前からインフレ状態だった物価に、ドイツ、フランス欧州先進国につられて、それに拍車がかかった状態だといえる。そして米ドルからユーロへのシフト。リラのままユーロに参加せずにいたら、イタリア経済は破綻していたとも言うが、このままではいずれ同じことになるのだろう。日本のように一般市民とは遠い大企業から端を発するわけではなく、殊更一般市民が悲鳴をあげていることがより危機的状況にあると認識せざるをえないのだ。