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最近は写真日記。

2コンのマイクは何処へ?

 ファミコンを購入したのは1984年だったかと思う。ボタンは四角でゴム製。持っていたゲームはもちろんマリオブラザーズ。次に買ったソフトを覚えていない。実家の近くに住んでいたお兄さんが工学系でその影響だった。彼の家に行くといつもハンダ鏝を持って、何かを作っていた。僕の小学校時代はまさにファミコン全盛期でファミコンと共に育ったと言っても過言ではない。中学校に入学すればスーファミが出て、高校に入れば64や次世代ゲーム機が発表された。
 ファミコンは今SONYが築き上げているデジタルライフの先駆けだった。ファミリーベーシックでキーボードを繋げ、ディスクシステムでフロッピーを使い、ロボットを動かしたり、時にはマット式のコントローラの上で飛び跳ねたり。それらの正式名称を忘れてしまったけれど、ファミコンがあれば色々なもので遊べた。ソフトも3800円くらいで、それ程高いものではなかった。
 ゲーム自体の内容もシンプルで、カードゲームをするかのような手軽さがあって、特にナムココナミのゲームは素晴らしかった。今でも名作だと思うのはスカイキッドアイスクライマーも好きだったけれど、どちらも2人以上居ないと面白くない。もちろんその根底にはマリオブラザーズがあって、二人以上で遊ぶためのゲームだった。ドラクエが出て、FFが出てRPGの需要が高くなり、1人で遊べるゲームが多くなった。ファミコンの2コンにはマイクという存在意義があったけれど、RPGが出始めてからその存在は意味がなくなってしまった。
 僕が購入した家庭用ゲーム機は、ファミコンディスクシステム)、スーファミ、64、PCエンジン、ROM×2、セガマーク3、セガサターンドリームキャスト、プレステ、プレステ2、3DOはもらい物。ハンディであればゲームボーイゲームギア。今はほとんどプレステ2だけで後はパソコンになってしまった。プレステのゲームは映像は素晴らしいけれどゲーム性は低い。プレステのゲームで面白かったものは?と聞かれて答えられるものがない。ほとんどは一過性のものであって消費的なものでしかない。
 ファミコン以降のゲーム機のコントローラは1コンでも2コンでも取り換えが可能である。プレステに至っては売り出し当初、1コンしか付属していない。価格を抑えるためだろうが、それでも2コンの存在しないゲーム機が販売されても特に問題なく世間では受け入れられてしまった。テレビゲームは1人で遊ぶためのものという意識がすでに根づいていたからだろうか。
 僕らが小学生の時は、誰かがソフトを購入すれば、クラスメイトが集まり、皆で楽しんだ。それは僕の地域だけで、僕の周りが特殊だったのかもしれないけれど、今あるゲームにそれだけの魅力があるとも思えないし、明らかにゲームの趣旨が変わってしまった。ネットワークゲームをプレイした時は本当にびっくりしたし、その面白さもわかったけれど、2コンの存在を完璧に否定するようなゲームにやはり寂しさを覚えた。2コンのマイクに向かって叫べば何かが起こるような期待感はもう無いのだと感じた。