apoPTOSIS:mod.HB

最近は写真日記。

バスケとイタリアと中国

 時間があれば毎週末バスケをしている。ペルージャ外国人大学(Palazzo Gallenga)の目の前にはバスケのコートがあって様々な国の人間がバスケをしている。特に最近は暖かくなって毎日といっていいほどバスケをしている生徒を見る。多いのが中国人。イタリア人も多く、それ以外では黒人(フランス系、アフリカ系)か。時期によっては韓国人も来ることはあるが稀である。米国人は以外と少なく、日本人は決まった曜日に集まってプレイしている。
 中国人とイタリア人に共通点が多い。例えば各国混合でプレイした場合。日本人や黒人はパス重視のプレイになるが、中国人とイタリア人はワンマンプレイである。オールコートでプレイしようものならば、エンドラインから相手ゴールまで1人でボールを運んでシュートに至るケースが多い。日本人はその点パスプレイ重視で、これはきっとサッカーにも言える事だろう。
 かく言う僕もパス重視のバスケで、ほとんどシュートを決めることに快楽を感じていない。もちろん打つべきシーンでは打つようにしているが、無理なシュートはしない。ここがまずイタリア人や中国人とは違う。彼らからすれば僕みたいなプレイは、要するに自分に自信がなく、パスをするのは1人で突破する技術がないからと感じるらしい。逆に僕ら日本人からするとそんな無理な姿勢でシュートを打つよりフリーの人間を作って手堅くシュートを決めるようにゲームを組み立てる。またディフェンスにしても、ゾーンやマンツーの認識がまるで違う。僕の場合、どちらのディフェンスにしても他のプレイヤーを意識してそこに追い込むようにするが、彼らは1人で全てをこなすようにする。例えば僕は、局面によってはボールマンに、プレッシャーをかけたり、逆に抜かれないようなディフェンスをするが、彼らはいつもボールを取ることだけを考えている。
 これはストリートバスケ特有なのかもしれない。というのも、オールコートで、組織されたチームはどうやってもワンマンでは上手くいかない。5対5が基本のバスケで1対5ではゲームにならない。流川ではないけれど、パスのできないプレイヤーは攻撃のパターンが読み安い。相手が組織されたディフェンスを敷けば、それは逆にウィークポイントになる。
 ただ論理的にバスケを学んでいない人間にこれだけの差や共通点が出るのは面白い。有り体にいえばお国柄であり、人種の差であるともいえる。日本人は全体の協調性や歩調を合わせることを考え、自分を犠牲にしたプレイを美と感じる。イタリア人や中国人は1人で成し遂げてこそ美と考え、それこそが存在意義だと感じている。野球のバントプレイではないけれど、プレイ一つ取ってみても根底にあるものがまるで違うので興味深い。