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最近は写真日記。

戦争と平和

 邦人3人がイラクの武装集団に拘束された。フリーカメラマン、フリーライター、ボランティア。自衛隊を3日以内に撤退しなければ殺すという。日本政府は自衛隊を下げずに、彼らの救出に全力を尽くすとか。日本のマスコミはどう表現しているのだろう。このニュースを見た日本人はどのように捉えているのか。
 日本はもう戦中の真っ只中にいる。僕からすればこの時期にイラクにいる以上、そういう事態を覚悟して滞在しているべきだ。民間人だろうが軍人だろうが。平和ぼけとか、自衛隊は軍隊じゃないとか、フセインとCIAがどうしたなんて話しは関係ない。日本人として戦場に居る以上、殺される可能性がある。死ぬ可能性がある。その覚悟がないで海外に出るもんじゃない。
 今更になって自衛隊を撤退させろという日本人がいるだろう。3人の命を尊重しろと。それは本当に今更で、イラクでは民間人はいくらでも死んでいる。米国兵がどれだけ誤爆して、民間人を殺したか。その側についている日本も同じだ。殺された側からすればどれもただの敵でしかない。殺した側に居るのだから、こちらが殺されても文句はないはずだ。それが戦争なのだから。それを今更文句を言うくらいならば、身体を張ってでも自衛隊イラク入りを阻止すれば良かった話しだし、そういう政治家を選んでしまった以上、これは日本人の総意に他成らない。少なくとも向こうはそのつもりで人質をとっている。
 救出が成功すれば、自衛隊や米国兵の好感度は上がるだろう。米国がやったように政府の支持率があがるかもしれない。しかしどうも今回は5カ国同時で同様の事態が起こっているらしい。これに対応できるだけのキャパが日本の政府にあるとは思えない。このまま自衛隊を下げ無ければ、本当に彼ら3人は死ぬかもしれない。
 国のために命を捨てられるか。僕は国のためだけには命は捨てられない。それでも海外に居る以上、先週テロリストが捕まったペルージャに居る以上、そういう事態も覚悟はしている。死ぬのが怖ければ日本を出なければ良い。日本人と見なされるのが嫌ならば、日本に居れば国籍を気にすることもない。戦争が起こっている以上、もう日本人は彼らにとっての敵国なのだから。自分が認めようが、認めまいが彼らにとって僕たちは紛れも無い日本人だ。
 僕がオーストラリアにいた頃、韓国人にしきりに言われた。「君たちは韓国を蹂躙したんだ」と。僕はまだ17歳の高校生で、だけどそんなことは彼らに関係なく、僕は日本人だった。海外に出る以上、日本を離れる以上、僕らは国を背負わなければならない。その覚悟がないで海外にでるもんじゃない。