apoPTOSIS:mod.HB

最近は写真日記。

ペルージャと車

 ペルージャの道は狭い。城壁の外ならばまだしも、町の中心に入るには小型車でなければ一苦労。市バスも城壁に沿って、町の中心近くまでは行くが、途中からは歩かなければならない。先進国では地下鉄が整備され、後進国ではバスが活用されると言われるが、イタリアは確実に後者である。ミラノ、ローマでは地下鉄があるが、日本のような地下鉄網があるわけではない。日本では地下鉄の代替品としてバスを利用しようとは、まず考えないだろう。
 これは古代、中世の町並みを踏襲した都市計画のために、ペルージャ中心地の土木工事が容易に行えないためで、中世の町並みをそのまま残すヨーロッパの各都市でも同様のことが言えるだろう。日本のような片道3車線の道路を敷くのは、やはり新都市でなければ難しい。京都にしても小道に入ればほとんどが一方通行で、やはり小回りの効く車の方が運転し安いだろう。
 僕はセダン車が好きではない。あのフォルムに魅力を感じないのだ。中途半端過ぎる。セダンを選ぶのならば、サイズに大きな差がなく、より荷物が多く乗るワゴンを選ぶだろうし、運転の楽しみを感じたいのであればスポーツカーを選ぶ。また自分の住む環境に合わせて車を選ぶだろう。最近はどうやら日本でもミニバンが流行だしているようだが、それまではセダン一辺倒だった。ミニバンにしても、実際7人も8人も乗せないだろうっていうような人が運転してる。森博嗣の「毎日、無駄に7つもシートを運びながら運転している人がいるが、そこにエコがあるのか?」っていうのは同感だった。
 ペルージャで見かける車はほとんどが、コンパクトカーかハッチバック式で、セダンは少数派である。時にはミニバンタイプやSUVなども見かけるが稀である。Fiatの500とMiniは今でも現役で、日常的に走っているし、FiatのPandaなども多く見かける。TOYOTAヴィッツ、HONDAのフィット、NISSANのマーチは商品名は違えどそれなりに見かける。以外と良く見るのがsmartで、ヨーロッパの町並みにマッチしている。少なくとも余計なシートやトランクを運んではいない。
 ヨーロッパタイプと日本でもCMされていたが、その町並み、環境に合った車選びができなければエコロジーも何もあったものではない。セダンやミニバンがジャパニーズスタンダードであるならば、自動車税や重量税、ドライバーのプライドや見栄以外に、それらを選ぶ基準が見いだせない。もちろんFiatの旧型車に乗ってCO2を多く排出させろと言っているわけではないが、ただ単に日本人の持つ乗用車というイメージがステイタス化され、実用的な面は二の次になっている気がしてならないのだ。工業デザインとして最先端を行く車であれば、尚のこそ中途半端な車作りはするべきではないのではなかろうか。