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最近は写真日記。

ペルージャと音楽機器

 iPodを使っていてもそれが何であるのかイタリア人にはわからない。日本でもPCやMacintoshに触れている人、音楽雑誌を読んでいる人で無ければわからないだろうが、それでもiPodの知名度はPixarのCEOよりは上だろう。僕がまだ隣町に住んでいる頃、ペルージャの町に向かうバスの中はイタリア人学生で一杯だった。朝のバスの中ではウォークマンを聞いている学生が少なからずいる。彼らのほとんどはCDディスクマンで、それ以外はカセット式ウォークマンだった。
 ペルージャの町中の電気屋にしても、ウォークマンディスクマンが主流でMDやMP3は未だに普及していない。Macを販売しているお店ではもちろんiPodを扱っているし、ペルージャから少し離れた大型モールの中でもMP3プレイヤーやiPodを販売している。それにも関わらず僕が今までに出会った、もしくは見たイタリア人は、全てウォークマンディスクマンしか使っていなかった。
 DJはどうだろう。基本はLPで、人に依ってはCDでプレイしている。製品名は覚えていないが、日本でも見たことのある製品だった。今までに1人だけiBookでDJをしているイタリア人を見たが、ソフトはTRAKTORを使っていた。PCを使っている人も見たがイタリア人ではなかった。
 ヘッドホンやイヤホンの種類も少ない。僕はSONYの密閉型イヤホンを使っているが、このタイプは未だに日本人以外で所有している人を見たことがない。またヘッドホンにしても、定番の頭に乗せるタイプは売られているものの、日本で流行っているような耳かけ型は見たことがない。
 CDディスクマンのMP3対応型は以外と安く売られており70ユーロ程で手に入る。かといって、彼らが用いてるのはCDのみのディスクマンばかりで、どうやらMP3を外に持ち出すという意識はないようだ。またMDに至っては電気屋にしてもまるで売る気がないのか、MP3プレイヤーにしてもショーウインドウのどうでも良さそうなところに置いてある。
 イタリア人の場合、外で音楽を聴くというよりは、人の話を聞いたり、人に会って話しをする。また1人で音楽を聴くよりは、皆で歌を歌った方が面白いというのが彼らの考え方だろう。カラオケが存在しないのではなくて、必要ないのだ。良い意味でも悪い意味でもイタリア人は、他人を巻き込む性格なので1人だけの世界に閉じこもろうとはしない。それがウォークマンが流行らない1番の理由なのかもしれない。