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最近は写真日記。

オーストラリア語学留学:その5

 8月頃だったか、Cambridge First Certificate:CFCに特化したコースが始まり、一般コースに飽きていたこともあって、僕はCFCコースに登録した。一応このコースに入るにはテストがあり、コースはCFC試験までの3ヶ月間でクラスは3つに分けられていた。このコースを受講するためにヨーロッパから多くの西洋人が渡豪し、スイス、フランス、スペイン、ドイツ人の生徒数が増大した。
 僕は真ん中のクラスで、日本人が1番多く、次に韓国人、スイス人と続いた。1番上のクラスはフランス人やドイツ人が多く、アジア人が少ない。下のクラスはイラン人や中国人、韓国人が多かった。Phoenixでは、一応このコースを売り物にしているらしく、授業自体も厳しいものだった。一般コース<高校コース<CFCコースといったところか。授業時間は高校コースよりも長く、進行も早い上に文法なども事細かに分析する。また宿題にしても一晩では終わらないようなものが毎日出ていた。TOEICTOEFLの勉強で覚えなければならない単語が日常茶飯事で、はっきりいってCFCをなめていた僕には辛かった。
 CFCは日本ではマイナーだがヨーロッパではそれなりに知られているようだった。僕はテストに受かる気がまるで無かったし、しかも受験勉強的なことが大の苦手だったので、まるで手を抜いていた。今考えてみるともう少し真面目に勉強しておいたら良かったとも思うが、他の生徒に較べて圧倒的に一般教養が足りな過ぎた気がする。他の生徒のほとんどは大学を出て、就職してからCFCを受験しに来ている人ばかりで、高校生どころか10代の人間はレアだった。要するに英和辞書を引いたところで、日本語でもわからない言葉が沢山あり過ぎたのだ。
 それでもこの3ヶ月間は本当に良い勉強になった。ハイスクールコース以上に発音を直され、日本では教わらなかった事細かな文法の違いを知ることができた。単語に至っては、絶対に日常会話では使わないようなことも覚えていたし、作文では、論文形式での書き方を教わった。何よりも3ヶ月間を共にしたクラスメートとの交流は、英語以上に他の文化を知る機会に恵まれていた。他言語で学問的な話しをしようとしたとき、コミュニケーションの基本は何になるのか、という問題にぶち当たれたのもこの時だ。
 CFCのテストの結果はもちろん不合格。僕のクラスで合格した日本人は1人しかおらず、韓国人も散々な結果だったようだ。スイス人は当然の様に受かっていたけれど、後から聞いた話し、僕らのクラスの先生の教え方が酷かったそうだ。というのも、上のクラスはほぼ全員が合格し、下のクラスにしても落ちた生徒は3分の1しか居なかったという。僕らのクラスの合格率は最低で、後々校内でも問題になっていた。僕の場合は、教師の教え方以前の問題だったので、あまり関係なかった。
 CFCコースが終了して、一般コースに戻ると5番目のクラスに上がったが、それでも授業内容は簡単なものだった。この時期がオーストラリア留学中で1番遊び呆けていた時だろう。