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最近は写真日記。

好きな男優・女優ランキング

 好きな男優ランキング好きな女優ランキングを見ていて、コンパとかで「可愛い子連れて行くから」という女性の言葉を男性が信じられない理由と、「格好いい奴がいるんだよ」という男性の言葉を疑う女性の気持ちが何となくわかる気がする。
以下は男性が好きな男優ランキング。

1 オダギリジョー
2 織田裕二
3 唐沢寿明
4 阿部寛
5 速水もこみち
6 妻夫木聡
7 竹野内豊
8 高倉健
8 福山雅治
10 江口洋介

そして女性が好きな男優ランキング。

1 オダギリジョー
2 藤木直人
3 唐沢寿明
4 竹野内豊
4 妻夫木聡
6 岡田准一
6 速水もこみち
8 山田孝之
9 木村拓哉
10 谷原章介

 パッと見て、気になるのが織田裕二(男性側)と藤木直人(女性側)。それ以外では、阿部寛高倉健福山雅治江口洋介(男性側)と、岡田准一山田孝之木村拓哉谷原章介(女性側)がそれぞれ異なっている。
 織田裕二は、踊る大捜査線でついたイメージ、つまりは権力に抗う若者、もしくは男性縦社会の中で抱く憤りを表現し、代弁してくれるシンボルとして、男性に人気があるのだろう。そういう意味では江口洋介も近い存在だろうか。阿部寛は、トリックやアット・ホーム・ダッド、ドラゴン桜など、男性が「そうあっても良い」とか「そうありたい」と思わせてくれる、憧れさせてくれるキャラを演じることが多い。高倉健がまさにその代表例だろうか。福山雅治は、その中間だろうか。概して「男社会の中で生きる男性」と言える。
 対して女性が選んだ、藤木直人は、綺麗な役が多い。ここで示す「綺麗」というのは、つまり女性の恋の対象、憧れの対象であり、端的に言えばジャニーズが脇毛を見せない様な感覚に近い。もっと言ってしまえば、恋愛少女漫画に出てくる男性像に近いだろう。木村拓哉谷原章介がこのカテゴリーだろうか。岡田准一山田孝之は、「綺麗」という対象よりは、「可愛い」という対象に切り替わっている気がする。つまりは前述の男優が「憧れ」の対象であるのに対して、この2人が選ばれた理由は一言で表すのであれば「萌え」的存在であろうか。
 男女共に1位に選ばれたオダギリジョーは、そういった諸々の要素を、それぞれの役を演じる際に上手く引き出している様に思われる。ある時は織田裕二の様に、ある時は阿部寛の様に、ある時は藤木直人の様に、時には木村拓哉の様に、そしてある時は岡田准一の様に。そういった多様性が好まれる理由だろうか。
 では女優ランキングはどうだろうか。まずは女性が選んだ女優ランキング。

1 篠原涼子
2 仲間由紀恵
3 松嶋菜々子
4 天海祐希
5 深津絵里
6 黒木瞳
7 竹内結子
9 山口智子
9 柴咲コウ

 そして男性が好きな女優ランキング。

1 仲間由紀恵
2 伊東美咲
2 長澤まさみ
4 松嶋菜々子
5 矢田亜希子
6 上戸彩
7 深津絵里
7 長谷川京子
9 黒木瞳
9 竹内結子

 差異があるのは、篠原涼子天海祐希山口智子柴咲コウ(女性側)、そして伊東美咲長澤まさみ矢田亜希子上戸彩長谷川京子(男性側)である。この差異にしても、男優ランキングと同様のことが言える。
 篠原涼子天海祐希山口智子は「女性の生きる道」の憧れの対象として。そして柴咲コウは同時代的でありながらも、憧れの対象として。男性側の、伊東美咲長澤まさみ矢田亜希子長谷川京子は、藤木直人の「綺麗」な存在と似たような感覚だろう。
 以上で述べたことはもちろん「男優」「女優」としての側面が強く、最近トーク番組に多く露出している藤木直人像は、「綺麗」とは違った「天然」というギャップを披露しており、そういう場面での人気も高いのだろう。そういう意味では、デビュー当時の福山雅治が同様な役割を担っていた様に思うが、「エロさ」が定着してしまった為に、まだ「綺麗」さの優先する藤木直人がその位置に入ってきたのではないだろうか。
 問題はここからである。男性が認める「男優」、つまりは男が演じる「男」で人気があるのは「綺麗」さではなく、「男社会の中で生きる男」である。一般的に「男くさい」と言われる男優が人気なのだが、この「男くさい」というのは、何を持ってして「男くさい」のかが、新たな問題でもある。男女によって「男くさい」が違えば、各々によっても差があり、これは「女らしさ」も同様である。このまま話しが進めばジェンダー論にいくのだろうが、男性が認める男優ランキングでの「男くさ」さの背景にはどうも日本故の勤労哲学があるようだ。つまりは気に入らない「社会」に反抗しながらも、結局はそれに迎合していき、自分たちの「社会」に属さない者たちを、もしくは多様性を認められない傾向にあると言ったら過分だろうか。男性が好きな男優ランキングを見る限りにおいて、僕はそういうものを勝手に感じとった。
 そして女性が選んだ男優ランキングでは、そんな「男社会の中で男くさくない」男優が多い。というよりも、「オレは苦労しながらこういう社会で生きてるんだ」という役を演じる役者よりも「何があっても楽しく生きてます」という「男くさ」さ、というよりは、やはり「綺麗」さが好まれている気がするのである。
 男性が好きな男優と、女性が好きな男優の内容を見た限りではそれくらいの差があるわけだが、結局のところ、双方1位はオダギリジョーなので、「苦労してそうで、どうでも良さそうで、でも何となく楽しそうで、ダサそうでありながら、格好良いところは格好良くて、瞬間的にセクシー」という多様性を表現できるオダジョーが凄いなという話。本当は色々と考えたけれど、まとまらないので、終わり。