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最近は写真日記。

バブルネサンス

 バブル教育とでも言えるだろうか。バブル期の教育についての話しではなく、最近のメディアでは、「バブル・ルネサンス」的な意図を感じる。その象徴とも言えるのがバブル青田のCDデビューなのだが、他にも企業の雇用状況や不動産売買等の経済状況をバブル期に「敢えて」比較し報道する傾向にある様に思える。その意図しているものが経済の再生・発展なのか、はたまたデフレ脱却のためのものなのか、明確なボーダーラインは無いのだろう。
 ただ「繰り返してはならないもの」と捉えられていたバブルが、ここに来て「経済が華やかだった頃」というイメージにすり分かっている。例えばヒルズ族や、頻繁にテレビに登場するセレブなどの生活を放送しながら、経済格差も同様にとりあげ、高年収組以外を「下流社会」とカテゴライズした上で、「上流社会」がどれだけ良いものなのかイメージ付けを行おうとしている様に受け取れる。残念ながら収入如何で、もしくは経済のみで「上流」「下流」か決まるものではないだろう。
 日本のメディアでは経済再興が進展し、再生しているという報道が目に付くのだが、円安は相変わらずだ。それも対ドルではなく、対ユーロではまるで円安が止まる傾向にない。国内だけの経済活性化ではなく、対外での再生も重要なことは間違いないのだが、経済の専門化ではないのでそこまで言及はできない。
 国内で「バブルネサンス」のイメージ付けを行い、経済再興の方向付けを行った後の着地点をどこに持ってくるのか。人口の増加率が下がり、土地の開発が経済の発展に直結しない今、バブル期の幻想を復興させるだけでは「失われた10年」と言われる様な過ちを繰り返しかねない。ただいつでも暗黒時代と呼ばれる時期の後には必ず曙が待っており、それを善し悪しだけで語ることはできないが。