apoPTOSIS:mod.HB

最近は写真日記。

体験主義

 R25中田ロングインタビューより。

「サッカーの試合で海外に行き始めたのが14歳ぐらいからです。U-15で韓国に行ったりとか、年に1〜2回ぐらいのペースでした。比較的早くから外国に触れることができたし、その分、外国に行くことがあまり特別じゃないと感じることもできたんです。それぞれの国の文化や言葉の違いに触れて、早くに興味を持ったからかもしれませんが、今でもいちばんの趣味っていうのが旅行なんですよ。いろんなところに行くのが好きで、将来は旅人やってたいなって思うぐらい(笑)。旅でいちばんいいのが、現地で直接自分の目でいろんなものを見て体験すること」
だからこその『ジュニア親善大使』でもある。彼らはドイツに旅立ち、国旗を持ってピッチを歩くことになる。日本人というアイデンティティを明らかにしながら、世界と向き合う。
だが、R25世代はもはや中学生ではない。いまから“世界というカルチャーショック”を味わうことは難しい。
「自分のことで精一杯だと、本当に周りにあるものが見えないから、実際には自分の可能性も見えてないんです。外に目を向けていろんなものを見ることで、自分の可能性も広がると思いますけどね」

 別に世界に出る事が特別でもないし、世界に出なくても視野は広がると思うが、現実的に自分の生きてきた環境しか知らないために、可能性が狭まっている人間は多いと思う。

「甘えないかどうかっていうと、“人生”…っていうと話は大きくなるけど、結局は自分との戦いじゃないですか。一度自分に甘えたらズーッと甘え続ける。自分をよりよくしていくため、自分の生活をよりよくするため、楽しむためにはどうすればいいかというと、いかに厳しい状況に自分を置き続けることができるかだと思うんです。そうすると少しのことでも楽しく感じる。少し厳しいことがあっても厳しく感じない。自分のなかでのそうした基準を、つねに高いところに置いておかないと、どんどん落ちていっちゃう」

 ただこの言葉は、「母国語でコミュニケーションができない状況」「今まで築いてきたコミュニティから絶対的な距離を持つ場合」「そして新たに自分の力だけでコミュニティを築く場合」の海外生活3点セットを経験していないと出てこない言葉だろう。
 また、

「僕が悪いと思うのは、他人に迷惑をかけること。だから、自分のなかですべて収まりのつくものに関しては、他人に迷惑をかけなければ何をやってもいいと思ってるんです。あとは自分のなかでの、“何がよくて何がよくないか”っていう判断。誰かが“よくない”って言うことをやらないのがいいことじゃない。自分が好きでやってたり、自分が楽しいと思ってやってることのなかで、周りの人に悪く影響することがあるだなんて考えたこともありません。それを考える時点で自分は間違った人間じゃないかって気がする。自分が『正しい』と思ってやることで人に迷惑かかるなんておかしいでしょ?」

 という価値観にしても、「それって矛盾してんじゃねぇの?迷惑かけない様に、やりたいことやれよ」とつっこまれるようなものだが、自分が1番と考えればわかりやすい話だ。僕はいつだったか人前で「1人の人間が生きている限り、必ず誰かに迷惑がかかります。ただ迷惑をかけられる、ということは、ある意味それだけ周囲に恵まれていることだとも思います。それならば自分の思うように生きて、結果的に自分が迷惑にならない様にするのが良いのではないでしょうか」なんてことを言ったことがあり、日本人中年男性群は首を捻ってはいたが、今までそうやって生きてこられたのだから、自分の人生の中ではやっぱりそれが基準だったんだなと納得。ビバ、ジブンスタンダード。