apoPTOSIS:mod.HB

最近は写真日記。

アエロフロートに軟禁された:1日目

 というわけで、10月4日ローマ発モスクワ経由成田行きに搭乗したものの、技術的な問題(説明なし)で2時間ほど離陸が遅れる。トランジットタイムは1時間半ほどしかなかったので、機内で質問すると「東京行きは待っているから大丈夫」と言われる。着陸が近づくと「東京行きの方は一番最初に降りて下さい」と言われ、荷物を早めに整理するものの、空港に着いてみると手際が悪く待てども待てども扉は開かず、迎えのバスも着かない。
 開いたと思って、言われるがままにバスに乗り込むが、東京行きの人間だけを乗せて出発するわけじゃなく、結局他の乗客を待って出発。そしてまたこのバスがちんたらしていて、着いてみればたった何十メートルという距離を20分ほどかける。ここまで来ると笑えるのだが、バスから降ろされても何の誘導もなく乗客全員で右往左往。やっと空港に入り、トランジットスペースに着いたかと思ったらアエロフロートの日本人社員が登場。この時点で東京行きの乗客は事を悟ったのだが、問題はここからである。
 日本人社員(名乗らず)が言うには「今回は飛行機を長く待たせておけなかったので〜」という言い訳から始まり、「次に日本に早く着けるフライトは本日と同時刻の、明日の便です」ということだった。東京行きの人間は10人(日本人7人、イタリア人3人)だったのだが、半分以上が次の日に日本で仕事のアポを持っている人々だったので、当然の様に抗議するのだが「それしかないので」と一蹴される。結局モスクワに一泊することに。
 翌日の便に乗り換えの手続きを済ませると、また日本人社員が登場。トランジットホテルの説明を受けるが、移動は手荷物のみ可能で、預けた荷物に触れることはできないという。となると着替えや生活用品なども用意してくれると思いきや、「ホテルにはローブもないと思います」とこれも一蹴される。ジュニアのオムツやミルクなどを聞くと、「それはホテルにありますので」と言われ、「日本への電話は?」という質問には「テレホンカードを用意してあります」と言われる。結局この日本人社員は最後まで名乗らず、謝罪もなく、また別れの言葉もないままにいつの間にかいなくなっていた。
 またまたちんたらと仮入国審査が行われ、ノボテルホテルまでバスで向かう。ホテルに到着するとパスポートを取り上げられ、チェックアウトまで返してくれないという。一般客から遠ざけられ、裏口から部屋に向かう。ここでホテルの説明を受けたのだが、まるで先ほどの日本人社員が言っていることと違う。テレホンカードは無く、日本への電話はできない。またベイビーフードどころか、何をするにもお金が必要で、しかもユーロは使えず、ドルかルーブルしか使えないという。またカードもVISAしか受けつけないとかで、何もできない。
 しかも日本人が集まって相談していると、警備員だか、監視員だかわからないロシア人が来てロシア語でまくしたてる。英語のわかるロシア人がそれを訳すのだが、たった一言「Only in the room」と言って、部屋を指さした。それ以降はもう何を言っても「tomorrow」としか言わず、結局部屋に戻される。部屋はツインで、バスタブやテレビ、冷蔵庫、エアコンが完備されているものの、バスローブどころかドライヤーや歯ブラシなどの生活用品は全くなかった。それから小一時間ほどしてディナーが運ばれて来た。料理はホテル食でそれなりに美味しいが、イタリア食ばかりの日々だったからそう感じられたのかもしれない。食後は久しぶりにバスタブに湯を張り、1日目は就寝。