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最近は写真日記。

良き夫

 「良き夫になろうと思っている。」より。長いけれど、全文引用。

良き夫になろうと思っている。

だから、できる限り家事をやるようにしている。

「主婦は24時間労働」って言うんだから、夫だって家に帰ってから家事をしなければならないんだと思っている。

だから家に帰ってからの自分だけの時間は無いけど、それもお互い様なんだよねって思っている。

でも正直疲れてきたよ。

以前君は「子供の面倒を一日見続けることがどんなに大変なのかわかんないんだよ。」って言うけど、それを言われた夫がどんなに辛い思いをするのか、君にはわからないんだろう。

時々君は「○○はいい夫だよね。」って言うけど、それを言葉通りに受け取ることが難しくなってきたように思う。

それを言われるたびに、僕は自分が「主婦のお手伝いさん」なんじゃないかと思ってしまう。

お金を届ける主婦のお手伝いさん。

子供が居ながらにして家に帰りたくなくて会社帰りにパチンコ屋に通う上司を鼻で笑っていた。

理由を聞いても、苦い笑みを浮かべるだけで何も答えてはくれなかった。

でも最近、その上司の苦い笑みの理由がわかってきたような気がするんだ。

家庭が大事な気持ちは本当なんだ

君のことも子供のことも本当に愛している。

でもなぜだか、自分のことがだんだん嫌いになっていくんだ。

それが堪らなく辛いんだ。

 渡部さんがリカコと別れた理由がこの辺りの気がする。自分にとってのテイクと、ファミリアにとってのギブのすれ違い。そして何より「良き」夫の「良き」は、誰にとっての「良き」者なのかに各々ズレが生じている様だ。多分家事を手伝うことが「良き夫」の条件でもないだろうし、自分だけの時間を潰すことも「良き夫」の条件でもない。この場合の条件発生口は奥さんしかないわけだが、奥さんが本当に望んでいることは、「良き夫」とはそういうことではなくて、別にあるんじゃないのか。みのさんぽいけれど。例えば以上の様に苦心しながら、家庭のことを考えている「夫」を「良き夫」と捉えようとしているとか。多分全然違うんだろうけれど、希望的観測。
 「子供の面倒を一日見続けることがどんなに大変なのかわかんないんだよ。」という言葉だが、なんというか、「一日中働き続けることがどんなに大変なのかわかんないんだよ。」とか「一日中学び続けることがどんなに大変なのかわかんないんだよ。」という、社会人と学生の「俺(私)ってこんなに」という感じで、要するに無理解から来るのだろうと単純に思ったりする。
 「子供ができたら自分を殺すことが幸せの第一歩」という言葉を言われたことがある。残念ながら僕の場合は「家庭を持ち、子供ができて、自分を活かすこともできた」人間なのでその犠牲の精神はわからない。「子供のため」だけに僕は働けない。「家庭のため」だけの自分でもない。もちろん「自分のため」だけの道具としての家庭でもなければ子供でもない。相互に、僕らは生きて、活かされる部分があるから、ホームを持つことが、人間の一つのユニットに成り得たんだろう。