他人に優しく、自分に厳しく

　他人の色恋の橋渡し（後述）をしたり、他人の給料交渉をしたり、他人の就職を斡旋して、それなりの結果を出したここ最近。自分のことが疎かになっていた様だ。辞令を貰いに本部に行く途中、腹痛に襲われた。乗っている電車は湘南新宿ライン。駅間の距離がある上に、朝の混み具合かなりのものである。トイレに行こうにも動けず、次の駅にはまだ時間がかかる。お腹を冷やさない様に手でカバーし、様々な妄想をして気を紛らわせた。何だかんだで、結局本部最寄駅まで我慢してそこでトイレを済ませた。が、時間は既に遅刻ギリギリ。結果的には遅刻せずに済んだが、腹痛はおさまらず、何度もトイレに。本部の人間からは「凄い顔色悪いけれど、今日は帰った方が良いんじゃないの？」と心配された。
　何度目かのトイレで時計が割れていることに気がついた。奥さんからの初めての誕生日プレゼントである。ガラスの割れ方（リングとコーン）とかを観察しながらどうしようか考えたが、ちょっとしたブランド物なのでどうにもなりそうにもない。時間がある時に修復の手立てを考えることにした。
　踏んだり蹴ったりで勤務地に帰ると、眼が痛い。最近コンタクトと眼の相性が悪く、ゴロゴロすることが多かったが、涙が止まらないくらい痛くなり、会社について直ぐにメガネにチェンジ。結局その日は腹痛がおさまらずトイレを往復し、眼が痛くて涙目のまま。兎に角ついていない1日で、辞令も辞令でありきたり過ぎて、そろそろ自分の管理職手当とかを要求しようかと思った。