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最近は写真日記。

携帯小説と2chの戦い

すべらない名無しより。

愛してる
【集え】妻に「愛してる」と言ってみるスレ19【勇者】

512 名無しさん@お腹いっぱい。 2008/09/24(水) 01:41:47
嫁は妊娠中。もうすぐ八か月。
西日の部屋で、ソファに座ってお腹を撫でてる嫁を見てたら、なんとなく言いたくなって
後ろから抱き締めて「愛してる」って言った。
ただ、俺の嫁、ろう者なのね。なんも聞こえないの。わかんないの。

わかんないはずなの。
でも、嫁、振り返って

手話で
《わたしも》
って言ってくれた。

俺、明日もがんばれるわ。

 これを読む前に、一応ケータイ小説大賞の「あたし彼女」を読んだ。前半部は舞城を彷彿とさせたが、後半部分はなんだかたとえばこんなラブソングを思い出させた。物語小説、というよりはキャラに物語がくっついているだけ、という感じで、ツンデレ主人公と引きずられ男の恋愛物語という感じか。構図は至極簡単である。記述される言葉は口語ではあるが、地域性がある様に感じる。「みたいな」の連発はリズムを取るつもりなのか、雰囲気作りのためなのか釈然としないが、後者であるならば若干時代遅れという感は否めない。キャラに付随する物語は時代的ではあるが、特異性はない。特筆すべきはその構造であり、携帯電話という媒体を的確に捉えた作品だと言える。僕はPCで読んだが、「あたし彼女」という作品内容や、その言葉よりも、改行の多さとインタラクティブを意識したページの割り振りだけを後々思い出すことだろう。PCだったのであり得ない程ホイールをくるくるしたが。
 そして「愛してる」。「あたし彼女」とは真逆にある様な風景で、伝え方も簡潔である。携帯小説と掲示板では元々の特性が違うことが当たり前だが、特に掲示板にあっては簡潔な内容で適切な言葉が重視される傾向にある。例えば3行以上だと「長い」とつっこまれてしまう程、面白味の無い内容だとすぐにダメだしされる。
 どちらもメディアの特性を捉えた如実に表したものだと感じるが、僕は掲示板の方に文学性を強く感じた。携帯小説は読みにくい、ただそれだけの理由なのだけれど。でも本当は「あたし彼女」に出てくる男性の名前が気に食わないってだけなのだけれど。

http://nkst.jp/vote2/novel.php?auther=20080001
あたし彼女