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最近は写真日記。

人手不足じゃなくて、労働格差意識と労働倫理のバイアスが問題

日本人が採れないより。

実際、ワタクシは外食にもおりましたし、某社で人事を仕切ってましたので、求人の実務を見てきましたが、3年前くらいから急激に人が採れんようになりましたな。どこも採れてない。人が集まらない。慢性的な人手不足が続いておりますよ。

正直言って、どこも日本人が欲しいんです。長くやってくれる日本人が欲しい。しかし応募がないんです。求人誌に広告出したのに、電話一本来ないなんて話もよく聞きます。特に珍しいことでもありません。空振りは日常。

その場合、同業で組むより、例えばコンビニ・居酒屋・ファストフードみたいに、微妙に業種の異なる企業で組む流れになるのかな? 意外とこういう面から垂直統合的に業界再編が進んだりして。ま、でもそういう可能性すらありうるほど、人手不足は深刻なんですよ。みなし店長の過重労働の一因でもありますからね。バイトがいないから、店長自らシフトに入るという。

そんなわけで、侵略ではございませんよ。職が奪われているわけでもござらん。日本人労働力の不足が原因なのでした。

都内で起きてることが元ネタ。

なんだろ、日本人ってどうしても外人を入れたくないのは島国だからで、弱体化してる今の日本だったら簡単に侵略されちゃうんじゃないかと思う。もうこのままではやばいよ。そろそろなんとかしないといけない気がする。

 ここ数年で外国人労働者が増えたことは確かである。牛丼とかコンビニとか、外食(ファーストフード系)・コンビニで良くお目にかかる。勤め先の近くのサンクスの店員も名札は「斉藤」「鈴木」となっているが、全体的に日本語がたどたどしい。

求人誌に広告出したのに、電話一本来ないなんて話もよく聞きます。特に珍しいことでもありません。空振りは日常。

 その求人を制作している側とすれば、申し訳ございません、としか言えないのだが、ここでは視点を変えて労働市場に言及してみたい。
 各企業の人手不足は慢性的に続いているのだが、景気の不透明感に勇み足、という状況である。また非正規雇用の待遇改善が求められる中、社会保険料の値上げ、最低賃金の見直しなどにより、雇用者側の負担が増している。外食、コンビニ関係であれば原材料の高騰以外で、原油の高騰を受けて車での利用顧客が減ったり、配送に影響したりと、売上が落ちる中で運営を圧迫する材料が多くなっており、人件費にさける予算が縮小されている。
 求職者側・被雇用者側からすれば、「職種」「給与」「時間」「勤務地」といった最低限のボーダーで仕事を選ぶ古典的方法以外に、終身雇用が幻想となった今では「キャリアとなる職種(ビジネススキル)」を主眼に置き、後にサバイブできる様、仕事を選択する傾向にある様だ。その中でも低賃金、ノンキャリアブルと見られがちなコンビニ店員、深夜のファーストフード店員などが、「本当に仕事がなければやる」という優先度に位置している様子である。
 外国人労働者側からすれば、自国で汗水垂らして働くよりも安易に安定して働くことができる職場であることは間違いない。海外で生活をした経験がある者からすると、気になるのはビザである。通常、労働ビザが下りるまでは長い道のりと、雇用者側の責任など厄介な問題がついて回る。何より手続きの面倒臭さに比べて制約が多すぎるので、可能であれば観光ビザなりで就労をしたいのが本音である。国外労働者(難民など)の受け入れを公言している国が多いEUでは、それなりの制度が整っており、米国でグリーンカードを取るよりは容易く生活が営める様になっている。今後日本でも同様の問題が目立ってくる可能性が高いが、外交に疎い日本政府のままでは、国内の雇用問題を解決する前に、国外からの圧力に負けそうな雰囲気ではある。
 ネタにのっかるわけではないが、外国人労働者に「侵略」されている、と感じて排除しようとする、その感情が増幅されると昨今フランスで暴動にもなったデジャブと成り得る。侵略のボーダーだが、これはやはり国の政策次第である。先述した様に、国内の雇用問題が解決する前に、外国人労働者を安易に「受け入れます」と公言すると、その背景の政治力に「侵略」をかいま見ることになる。間接民主政治は、主権は国民にあると勘違いさせる為に議会を開くが、実際は議会の前に答えが決定しており、実際の主権は国民にない、という様な感じで、国の政策と国民の実態が乖離し始めると「僕らの国が侵略を受けている」と問題がすり替わる。
 要するに何が言いたいのかと言えば、多分、というか高確率で外国人労働者最低賃金以下で労働に使役している可能性がある。法に則って外国人労働者を雇用しようとすれば、賃金以外の面で面倒臭いことがある。それでも人手不足を解消しようとすれば、採用のボーダー(日本語が上手く話せないなど)を下げざるを得ず、かなりの制約付きで外国人労働者を雇っている可能性が高いのだ。外国人が最低賃金を盾に労働基準局に走った所で、労働ビザが無ければ不法滞在、不法労働となり、本末転倒となりそうだ(不法労働であれば雇用側が訴えられることになるが、被雇用者からすれば雇い主が消えることになる)。
 ちなみにどの国でも、外国人○○コミュニティというものが存在しており、例えばチャイナであれば働き口や住居などを、チャイナだけで回せる様にシステム化されていたりする。各地方に必ず窓口となるチャイナがいて、同国の人間に対してはほぼ原価でサービス(例えばホテル経営者だったとしたら、利益が出ない実費だけの請求で仕事や住居が安定するまで面倒みたり)し、同じ国の人間というだけで、ある意味家族的な扱いで色々と口利きをしたりするのである。つまりは現在外国人労働者が増えているが、実際は外国人労働者を対象にした求人広告はないに等しい。日本の企業であれば外資系、もしくは海外支店を持っていない限り多言語での求人は控えたりするが、その実際に反して外国人労働者が増えているのである。とみれば、その背景にあるのは上述同様のコミュニティシステムが既に構築されていると考えるのが自然だろう。