apoPTOSIS:mod.HB

最近は写真日記。

京都3DAYS:Terzo giorno, con Cia- e Eri.

 荷物の整理をし、ホテルのチェックアウト前に、駅前のカフェに朝食を食べに行く。トーストを基本としたメニューだったが、外国人向けに和食セットだったりハンバーガーセットだったりも用意されていた。奥さんはそのハンバーガーセットを注文していた。隣りに座った外国人一家は揃って和食。香水のきつさに奥さんはやられていた。
 チェックアウト後、クロークに荷物を預けチャー君ERIちゃんと、JR奈良線のホームと合流。目的地は伏見稲荷である。稲荷駅を降りるとすぐに表参道である。参道脇には的屋が連ね、店主が準備に追われていた。目の前でレクサスがトラックに引っかけて傷だらけになっていたけれど、周囲は放置で、運転している人間も苦笑してそのままスルーしていった。「傷だらけじゃん」と奥さんを見ると、「金貸してる先で、無料で直すんじゃねぇのか、ああいうヤカラは」とにんまり楽しそうだった。
 鳥居をくぐり本殿を見学したところでベビーカーをたたみ、チャー君に持ってもらう。ジュニアはERIちゃんと手を繋ぎ歩き、ちびジュニアは僕が抱っこしていた。伏見稲荷全体図を見ると明らかに全部をまわれそうにないので、引き返しポイントを決め歩を進めた。鳥居と森林、そして小川が絶妙な散歩コースを演出し、また天候の良さも手伝って、傾斜のある道でも難なく歩くことができた。
 伏見稲荷後は祇園に行き、にしんそばを食す。僕は潮臭い食べ物が苦手なので、天ぷらそばに。ただジュニア達用に注文したにしん丼は美味しかった。食後はデザートということで、八坂神社前のお茶屋さんに入る。元々は飴屋さんらしく、店頭で試食しながら席を待つ。今回もまた白玉小豆である。しかも黒糖パフェ。たいそう美味しかったのである。
 その後は流れで八坂神社へ。軽く見学して、時間を見計らって京都駅に向かう。もちろん徒歩なのだが、チャー君ERIちゃんにもおつきあい頂いて、長い散歩となった。京都駅ではお土産を買いあさる。「日本酒は醸造アルコールなしの、純米酒が良い」と聞いてから日本酒に手を出す様になったので、日本酒のお土産を自分用に購入。他に七味やお菓子を購入して新幹線の時間を待つ。
 そこで大穴である。新幹線が人身事故で遅延だという。おまけにダイヤが大混乱で、新幹線改札は大混雑。JR職員も次に来る新幹線の把握に戸惑っており、「明確な事は言えませんので、ホームで待っていてください」と投げられる。電光掲示板を見る限り、僕らが乗る前の新幹線は100分ほど遅れている。そういうわけで、とりあえずチャー君ERIちゃんを見送ることになった。「本当は見送る側なんですけれどね…」と困り顔のチャー君だったが、時間が読めない以上はどうしようもないので、在来線改札に向かう。
 僕らが京都に行く、と決めて連絡をすると「僕らも宿も取ります」とスケジュール調整をしてくれた2人。本当に最後の最後までつき合ってくれて、最後には先述のお茶屋さんの飴をお土産に持たせてくれた。2009年は2人の道が重なる年ということで、おめでたい話を聞いたが、形式的なことをしなくても2人は既にステキな家族だと思う。
 在来線の改札で彼らと別れた後、結局すぐに新幹線のホームに向かった。トイレだったり、駅弁だったりで時間が潰れるだろうと考えたのだが、電光掲示板をチェックすると、後5分で乗るはずの電車が来るということだった。結局ノーチョイスで駅弁を掴み、新幹線に乗り込んだ。下りの新幹線は大混雑ではあったが、上り新幹線はガラガラであった。一応年末ということを考えてグリーンの手配も考えていたのだが、指定席で十二分にスペースを確保できた。駅弁をつまみながら到着を待つと静岡辺りから急に減速。「東京まで満線状態のため、遅延が見込まれます」ということで、止まったり動いたりで、品川に着く頃には100分遅れとなっていた。おまけに「東京駅に入れる見込みがないため在来線への乗り換えをお願いします」ということで京浜東北線に乗り換え気長に家路に着いたのである。品川ー東京間の特急券代くらい何かで代替して欲しかった。全く持って気遣いのないJRである。
 最寄り駅からはタクシーで帰宅。既に日付が変わり12月31日となっていたが、何故かジュニア達のテンションは高く、寝付かせるのに苦労した。寝る前のジュニアの言葉は「しんかんせん、のったねぇ」だった。ちなみに次の日目が覚めたジュニアの一言は「しんかんせん、のいたい」で、リセットされている様子だった。
 忙しい2泊3日だった。観光というよりは人に会いに行った、ご飯を食べに行った、という旅行である。見たものは少ないが、話したことは多い。自分自身の旅行のスタイルに比べると顕著に様変わりしている。人より物だったし、質より安さだった。今は全く逆である。変わらないのはとにかく、歩くということだけである。つまり金があってもなくても、歩いて見るというスタイルだけは変わらず、移動手段はあくまでも自分の足なのである。ある時それを批判された事があった。「お金がない、歩くだけの旅行なんて疲れる」と。多分そういう人には縁がない。自分の足で歩けない人間は自分の人生に出会えないんじゃないだろうか。何かに「乗せられて」移動している間は、未だに自分の人生は自分の元にないのだ。人生に出会う、人に出会うとは、そういうものだろう。出会いとは探すものでも、乗せられるものでもないはずである。自分が歩いているから出会うのだと僕は思っている。僕らが今回会った人たちは正しくそういう人たちだろう。僕らが様々な場所を歩いた結果出会った人たちだし、何より様々な場所を一緒に歩いた人たちでもある。ジュニアとちびジュニアが手を繋いで並んで歩いているのを見て、改めて歩くということの大切さを知った旅行でもある。
 食には随分と出費したと思う。あまり値段を考えずに食べた。「美味しいものを食べたい」というのが奥さんの目的でもあったので、とにかく食べたいものを食べた。ちなみに朝・昼・夕とほとんど人と一緒に食べているが、ホテルに帰ってからもお弁当とかカップラーメンとか食べている。お腹が空くのである。コンビニ食でも関西味だったりしていたので、それなりに楽しめた。
 チャー君、ERIちゃん、2日間本当にありがとうございました。今年1年が色々な意味で実りある年となる様祈っております。愛は祈りだ、とある作家も書いていましたが、今後も家族ぐるみでおつきあい頂ければと思います(ビジネス調)。