「好きにしてみない？」

　景気に合わせて本来的なリストラクチャーが行われようとしていて、所属本部から「おいで」と以前から何度も言われていたのだけれど、今回は「もう配属先は好きに決めて良いから、とにかく本部勤務にしちゃいなよ」と言われた。「上にはもう話を通してあるから」ということで、「いや、通勤時間考えて辞めますよ、無駄だし」といつも通り断った。いつもだと「そっかぁ、じゃあ、しょうがないね」で終わるのだけれど、今回は若干粘られた。
　「どのフロア（配属先）でも良いよ。システム管理とかでも良いし」「…本当ですか？システム管理でも良いっすか？」「うん、多分3ヵ月あれば牛耳れるよ。システム管理。しかもシステム牛耳れるってことはこの会社全体を動かすってことだけれど、どう？それ？」「…会社はどうでも良いですけれど、システム管理としてのキャリアは良いっすねぇ。従業員2,000人以上のシステム管理であれば、転職に有利だし」「でしょう？だから、ね、考えて」
　というわけでシステム管理であれば、方向性は一致している。Web管理にCiscoとOracle、UNIXにネットワーク管理、案件定義にインフラ整備とコンサル業務。上流が基本になるけれども、下流工程の現場も見聞できる。現在の環境だと僕より1つ上の役職者が1人いるだけだからやり易いことは間違いない。できる係長は本体本部に異動している。学ぶ場として最高だろう。
　正式な話が来たら本気で考えようと思う。ただこんな景気でももちろん転職求人はいくらでもあって、もちろんオファーにも応えてはいるのだけれど、相変わらず条件に折り合いがつかない。人生タイミングなんて催眠は置いておいて、反応が早い方を考慮しようと思う。要するに今はペンディングで。