apoPTOSIS:mod.HB

最近は写真日記。

会津若松の若松って何?:1日目

 やってられないので、有給を取って家族旅行に行った。すまんな、職場の皆さま。バブル世代がしっかりしていれば良かったのに、という一言で愚痴は終わらせておきたい。
 天気予報では夏日。高速道路のETC割引きで混雑しているかと思ったが、ガラ空きである。ちなみに平日はあんまりお得ではない。個人的に一番走りやすい東北道。上河内SAでトイレ休憩をし、白河まで一直線。第一目的地の大内宿に着いたのが正午過ぎだった。「鳥南蛮とか蕎麦とかつまみ系が沢山ある、らしい」という情報誌の元、とりあえず食事処を探す。蕎麦屋が多く、団子や佃煮を扱う店が多かった。「縁側から外が見える」という理由だけで入ったお店で、蕎麦を食べる。僕は野菜天蕎麦、奥さんは高遠蕎麦、ジュニア達は盛り蕎麦である。高遠蕎麦とは大根おろし汁に醤油をかけて食べる蕎麦のことである。近頃「美味しい蕎麦が食べたいねぇ」と願いながら、まるで巡り会えていなかったのだが、やっと「美味しい」と思える蕎麦を食べられたのである。野菜天ぷらも抹茶塩との相性が抜群だった。たかがマイタケの天ぷらでさえ、その美味しさに感動してしまった。
 さて大内宿である。

日光今市から会津若松に通じる旧会津西街道、別名下野街道、南山通りに沿った山間の平地にある。江戸時代の宿場の雰囲気をよく残しており、春秋のシーズンには観光客が多数訪れる。街道沿いには茅葺き民家も見られる。 大内宿本陣跡には大内宿町並み展示館がある。

大内宿 - Wikipediaより。
 ということで、近世の宿場町である。僕らの目的はどちらかというと食べ歩きだったが、また観光したい、と思わせる魅力のある場所であった。お土産で購入したのは、青とう味噌(青唐辛子が入った味噌)。
 その後鶴ヶ城に向かう。以前、行ったことがある様な無い様な場所である(多分中学校の頃に来ている)。城について始めて天地人のゆかりの地だと知る。それなりにジジババが多いと思ったが大河ドラマ効果らしい。しっかりと天地人の旗が立てられており、そこかしこに兼続関連のものが置かれている。ちなみに天守閣内の展示も、天地人に合わせた展示になっていた。残念ながら全く興味がないのである。会津若松と言ったら、僕の中では白虎隊なのである。天地人に追いやられた白虎隊士像を見ながら、地域活性化と歴史産業は結局メディアにコントロールされるのか、と感じたのである。次は松平容保あたりをターゲットに稼いだら良いと思った。全くもって戦国時代とかに興味が湧かないのである。
 妊婦の奥さんをしっかりと天守閣展望台まで登らせ、満喫した後、ホテルに向かうことにする。今回の宿泊先は磐梯山温泉ホテルである。星野リゾートということで、メディアの露出がある場所だが、会社割引きが効くからという理由だけの選択である。今回はキッズルームを選んだのだが、メゾネットタイプの部屋でトイレ・バスが分かれている。また液晶テレビにDVDプレーヤー、加湿器に空気清浄機と何から何まで用意されていた。足りないものと言えばネットワークなのだが、「旅行に来てまでお父さんに部屋で仕事されたらたまらないでしょう?」という奥さんの言葉通り、ホテル側の配慮なのだろう。その証拠にしっかりとフロント近くにカフェ・読書・ネットワークスペースが設置されており、その場所であれば無線LANを支障なく使用できた(DHCPサーバ参照、自動IP取得)。
 荷物の整理の後、風呂ではなく、夕食を食べに部屋を出る。「ビュッフェだから」と奥さんは既に調べている。ホールに着くと1組しかいなかった。ジュニアたちが「ごはんごはん」とはしゃいでいると、どこからかジュニアとちびジュニアの間くらいの男の子が近寄ってきた。良く見ればハーフである。綺麗な瞳、綺麗な髪、ハーフである。「ごめんなさい」追いかけてきたお母さんは日本人。目線の先に目をやると金髪の外人男性が食事をしていた。「こんにちは」しゃがんでその男の子に声をかけると、ジュニアが「おともだち?」と笑いかけた。その子も反応してキャッキャッ言い出したのだが、やはりハーフ、可愛い。旦那さんはフランス人とかで、聞けば1才になる弟がベビーカーで寝ているという。うちと同じ年子なのである。何だか会話が弾み、旦那さんまで参加。間違いなく日本語が上手いのだろうな、と勝手に思っていたら、やっぱり日本語ぺらぺらだった。イタリアに行っていたことを告げると、最後は「Buon appetito!」とそれぞれの席に着いた。
 「今回は結婚記念日ということですので、皆さまのドリンク1杯無料とさせて頂きます」というわけで、地ビールを頼む。食事も和食・中華・洋食全て揃っており、海産物なども生で並べられていた。僕が気に入ったのは豚しゃぶである。安い限りである。
 食後は風呂である。大浴場となっており男女別だったが、僕がちびジュニアを連れ、奥さんがジュニアを連れて風呂に入った。これまた人が1人しかおらずちびジュニアとお風呂を堪能する。僕は風呂椅子に座り、ちびジュニアは風呂桶を裏替えした上にちょこんと座り、僕の隣りで遊んでいた。お湯は大分高温ではあったが、源泉から離れた場所であればちびジュニアが入れる程度の温度だった。
 脱衣所がこれまた至れり尽くせりだった。扇風機、ドライヤーはもちろん、洗面台が別にあり綿棒からひげそり、化粧水からローション類まで全て揃っていた。「おいしい水」というウォーターサーバーもあり、ちびジュニアが「おいちおいち」と水をがぶ飲みしていた。僕も飲んでみたが確かに美味しいのである。奥さんと一緒に出てきたジュニアの浴衣姿に萌えた。
 部屋に戻り程なくして事件が起こった。ジュニアたちが寝室に上がる階段で遊んでいたのだが、ジュニアが転落したのである。「自業自得」とスルーしていたのだが、泣き方がおかしい。「ここ、いたいの。いたいの〜」と頭を指さしているので見てみると、耳が綺麗に切れており、血が垂れる程流血している。一応他の部位も確認するがケガをしているのは耳だけだった。「バカが!」と奥さんが傷を確かめ、「水でタオルを冷やして持ってきて。それと絆創膏がその鞄に入っているから」と的確に僕に指示を出す。医療事務は関係ないかもしれないが、病院で働いていただけ処置が早い。
 「お風呂上がりと、はしゃいで血圧が上がっているから血が出るけれど、落ち着いて収まれば大丈夫だと思う。それでも止まらなければ救急かな」とタオルで耳を冷やす。ジュニアの方は全くもって落ち着いていて、「耳、冷たいねぇ」などと言っている。頭は打っていない様子だった。階段を調べてみると結構な高さの所で子供用のスリッパが脱げていた。おまけに階段の踏み面も鋭角で、大人の僕が裸足で踏んでも痛い程である。そこに耳を打ち付けたのだろう。親の管理不届きである。
 程なくして血は止まり、絆創膏でカバーし、「もう寝なさい」と子供たちを寝かしつける。子どもたちが寝てからは交替でマッサージを受けに行く。足裏マッサージなのだが、あまりの気持ちよさにうとうとしてしまった。「足・腰が疲れていますね」と言われる。
 1日目終了なのである。