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最近は写真日記。

ネット通販とニートの関係

楽園とは、いつまでも子供であり続けられる世界のことだ。
人間は、ずっとそんな世界を思い描き、この世がそうあるように努めてきた。
ニートは、その回答の一つ。
醜悪な、ねじれた答ではあるけれど。
まなめはうすさんより

 百貨店の売上げが落ち続け、小売業が軒並み落ち込んでいる。消費者ニーズを喚起しているのはユニクロに代表される様な、安いだけが魅力ではない商品を提供している企業であり、安いことは基本条件と成りつつある。百貨店が売れない背景として、値段設定がまず挙げられ、百貨店=高い、というイメージがついて回る様だ。逆にアウトレットモールなどは活気があり、日本ではリテールアウトレットが基本となっている。
 環境問題を考えた際、最も効果的なものは、人が移動しないことである。化石燃料も電気の使用量が極端に減ることだろう。メディアはエコロジーを謡いながらも、消費活動を推奨する。ニートに代表される様に、人が移動しなくなれば、「人でなし」扱いをし、ネット流通が成熟してくれば、店舗販売を推奨する。
 百貨店の売上げが落ちているのは、ネット流通の下地ができあがった結果であり、消費者行動の多層化と考えるのが妥当である。百貨店の多くは都市部、駅前にあり、車よりも電車での移動がメインとなる。車で移動した場合、ほとんどの百貨店では駐車場料金が発生するため、大型SCと比較すると若干不便に感じる。セグメントとすると百貨店は富裕層、大型SCは中間ファミリー層となり、百貨店利用者は駐車場料金を気にするターゲットではない、という棲み分けではあるだろう。
 大型SC(概して売上げが良い、という訳ではないが)やアウトレットモールが人気で、リテール元が伸びないと考えると、富裕層自体のシフトも視野に入れる必要性はある。しかしネット流通を念頭に置いたとき、百貨店→低価格優良店、大型SC、アウトレットモールという、身体的シフトではなく、ネット流通への意識的シフトと考えるべきだろう。その背景には、ニート問題と同根の「便利で、エコロジー」が横たわっており、消費者「行動」の変化ではなく、「消費者」行動のシフトと捉えるべきである。
 企業的視点に立てばネットばかりが繁盛すれば利益率に見合わない。なぜ見合わないのかと言及すれば、既存店という物質資本を抱えている限り、人件費、土地代、もしくは賃貸料などのランニングコストをペイできなくなるからである。なぜならネット流通の基本は、在庫を抱えない、店舗を構えない、人権費を抑える、その結果としての値引率なのである。急激な消費者のシフトにより、抱えた資産を上手く分散できない企業はリスクを承知で出店を持続させ、面での収支を上げるか、もしくはM&Aをし企業アイデンティティよりも持続性を優先させる他なくなるのではないだろうか。
 日本にベンチャー企業は根付かない、という言説があったが、ネット流通インフラが根付きさえすれば、小売店としての生き残りは百貨店よりは可能性がある、ということではないだろうか。ということは、ニートは今後減少傾向にあるわけではなく、ネット流通消費者としてのセグメントとして、ターゲティングされるべき対象となることも間違いない気がするのである。