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apoPTOSIS:mod.HB

最近は写真日記。

宗教とかそれ系の勧誘を職場の上司から受けた場合の対処

雑記

 まぁ何て言うか要するに宗教のお誘いだった。営業リーダーに誘われるがままに立ち飲み屋に行き、「俺、初めてなんですよ、いやぁやっぱりサラリーマンしかいないんですねぇ。じゃ、生ビールで」なんて、バカ丸出しで入店したわけだが、乾杯するや否やそれは始まった。「紹介したい人っていうかさ、俺が何か困ったときにアドバイスをくれる人がいて、その人をね、君に紹介したいんだよね」乾杯がスタートの合図なら、乾杯しなかったのに。「今の会社の状況でさ、あ、転職を薦めてるわけじゃないんだけどね、君に実際会社が合っているか合っていないかって、誰にもわからないじゃない?特に俺から見てるとね、何か持てあましてるなぁって思えるのよ」自分は合っているなぁ、と思える会社なんてあるんですか?とは茶々を入れず「いやだなぁ、買い被りですよぉ」と若干堺雅人の演技をイメージしながら苦笑う。
 「そこでね」と禿げかかった頭を前のめりにその営業リーダーが声のトーンを落とす。「そのアドバイスをくれる人の言うことはさ、信じられるっていうか、間違いがないっていうかね。俺の人生でもさ、最初はバカにしてたのよ、そんな力があるわけないっていうかさ。でも、後から考えてみると全くの言う通りだったりさ、今の会社もその人に薦められてね、入ったのよ」会社、倒産しかけてますが、それでも信じますか?それとも人間やめますか?「だからね、他の人にはわからない部分でも、その人にアドバイスを貰えればさ、道に迷うことなんてないのよ。で、時間があればね、会わせたいなぁってさ、そういう話しよ」あれれ?僕、いつ道に迷っちゃったかなぁ。会社を出て、まっすぐ家に帰れば良かったのかなぁ。ああ、立ち飲み屋に立ち寄った辺りで、道に迷ったか?それとできれば紹介して頂くのはブラック企業じゃなくて、優良企業を希望します。
 「これからの人生さ、どうして行きたいの?君は」ここ立ち飲み屋ですよね?ですよね?ねぇ、人生なの?話しのネタ、人生なの?「いや、僕には一つしかないんですよ。考古学ってものしかないんです。それができれば良いんです。それで食っていけるとか、仕事になるとか、メインの話しじゃなくて、継続させる事をまず考えていて、もちろん結果的に収入に繋がれば良いと思うんですけれどね、生活は生活で切り分けておいた方が逆に継続性は保てると思っています。最近ではどちらかというと持続性をメインにしていて、だから、仕事はね、何でも良いんですよ。生活できれば。仕事に自分の価値観を求めるなんてことはしてないんで」こういうときのブレは禁物である。隙を見せちゃいけない。宇宙での1mmは死に値するのである。
 「俺さ、父親と仲が悪くてね。反発っていうか、指示されたくないっていうか、仕事もさ、そんな感じで、親の言うことなんて無視してやってたわけよ。うち自営業なんだけどさ、継ぐ気もなくてさ、長男なんだけれど。でも、いざ自分のやりたいことをやろうと思うとね、あんまり上手くいかないのよ、これが。で、その人にアドバイスを貰ったのがね、『父親を大切にしなさい。あなたが反発する他人の中には少なからずあなたの父親が隠れているんですよ』って言うのよ。ある時さ、半信半疑で無理矢理にでも距離を縮めてみたらさ、それから結構仕事も良い方向に向かってさ、何だか言ったとおりだなって思ったのよ」人生の次は家族である。場所は変わらず立ち飲み屋であって、ひしめき合うサラリーマンたちはカウンターで接客をする中年女性に可愛いねぇ、色っぽいねぇ、なんて絡んでいて、その光景の方が全くお似合いだった。でも、負けられない戦いが僕の前にはあるのである。
 「僕の実家も自営業なんですよ。自営業って、ご存じかと思うんですが、色々な事に縁起とか験を担ぐんですよ。で、間違ってたらごめんなさい。僕の家もね、きっとリーダーがアドバイスを貰ってる様な存在の人がいて、先生ってうちでは呼んでたんですけれど」とここで相手の反応を伺うと、「うんうん…え?」という顔をしている。そのまま攻め続けるのが吉の様子。「僕もね、例えば留学だったり、進路だったりそういった相談をね、している人がいて。個人で、というよりはうちの家系で。で、その考古学にしてもね、『やりたいことをやりなさい。但し周囲の人間を大切にしなさい』という助言を頂いているんですよ。おまけに僕も親とは不仲なんですけれど、そうですね中学くらいまではね凄い反抗してたんですけれど、ある時からそこから脱却できたというか。ルサンチマンとか、そういった怨恨をモチベーションにするって、結局親に依存してるってことじゃないですか?だからね、客体化して切り離した瞬間から、本当に楽になったって言うか。そこからはもう自分の道に進めましたよね。そういう意味でね、周囲を大切にしなさいっていう言葉なんだと思っているんですよ」
 「同じ様な境遇だねぇ」と焼き鳥をつまむリーダー。「でも君は考古学でって思っているでしょう?それを否定する気はないんだけれどさ、それが本当に向いているかどうかって、迷ったりしない?」「しません」「…でも、合っているかどうかなんて、わからないわけでしょう?そういう所をね、まぁ良かったら一度相談でもしてみないかなって。何て言うか、まぁ霊感て言うものだと思うんだけれどさ。あるのよ」「…何がですか?」「だからその人にはその霊感があるの。そういう人って普通法人格で団体になってたりするんだけれどさ。その人も一応法人格を持ってるんだけれど、俺が紹介すれば個人的にね相談できるから。普通はそういうファンの人たちって個人的には相談できないものなんだけれどね。だから紹介したいのよ、俺は君を。誰にでもね、こういう話しをするわけじゃないんだよ。君がね、こう前向きっていうかさ、力を持ってそうだからね、何か力になれないかなって思ってさ」
 「ありがとうございます!そういう話しって相手を選ぶっていうか、難しいですよね」声のトーンは高めに。「でも、さっきもお話しした用に、『周囲の人間を大切に』という助言を僕は信じているんですよ。それは僕のやりたりこともそうなんですけれど、家族とか周囲の人間とかを含め、その助言をしてくれた人も大切にしたいんです。ここでリーダーの知り合いの方にまた新たなアドバイスを頂いて、また違ったアドバイスだと天秤にかけなくいけなくなるじゃないですか。何より僕の家系をずっと見てくれている人のアドバイスを僕は『信じている(協調+目を見て)』んで、他の人の声に流されるわけにはいかないんですよ。だから、そうですね、本当ににっちもさっちも行かなくなって、どうしてもアドバイスが欲しくなったら、その時はお願いしますよ」
 「お、おぅ…」と言葉を濁した後、やっと職場の話しになった。それでこそ立ち飲み屋である。とりあえず持っている情報をしゃべってもらおうか、という姿勢でそれ以後は攻め続けたのである。
 この年になって初めて宗教の勧誘的なものに出くわしたわけだが、その相手が縁が切れない相手の場合は気遣いが必要なのである。間違っても「それ、宗教。で、壺ですか?印鑑ですか?いくらですか?」なんて煽ってはいけない。特に職場毎日顔を会わせる相手の場合は、しっかりと誠意を持って対応するのが良いだろう。

対処法
1.とりあえず話しを聞く
2.否定はしない
3.その上でかぶせる
4.その人がはまっている以上に、実は宗教にはまっているんですよ的な空気を臭わす

 まぁ何て言うか、僕の話しの半分は嘘で半分は優しさです。そんなリーダーはしっかりとお代を払ってくれていたので、メンツも潰れなかったでしょう。ちなみにイタリアのキリスト教の話しとかミサとかイスラムとか、インドのヒンドゥーカーストとかガンジスとか、宗教は働きです、とかそういったものも織り交ぜて話しをして見せ餌も用意しておいたのでした。
 全人類が平和でありますようにw
 本当は、隣りのサラリーマンがどっかで見た顔で、それを思い出すのに必死だったことは秘密です。未だに誰だったか思い出せないのだけれど。