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最近は写真日記。

Pioneer DVR-3000と幼なじみと思い込み

 2002年に発売されたDVDレコーダーである。昨年末PCパーツを丸ごと持ってきた幼なじみが、新年早々「新しいの買ったから」と、また僕のところへ持ってきたのだ。彼がこのDVDレコーダーを購入したと聞いた時に、思いっきり「失敗だな」と言ってやった。当時既にHDD搭載DVDレコーダーも登場していたのだ。「なんでHD付いてるやつ買わなかったの?」と聞いたところ、「え?何に使うのHD?」と何もわかっていなかった。今回は学習したらしく、しっかりSONYスゴ録を購入した様だ。ただ今回のスゴ録、あまり良い噂を聞かないので、不安な点はある。
 彼はいつも先走る。新製品が出ると直ぐに飛びついてしまう。PCにしても、電化製品にしても、車にしてもだ。そして必ず後々買い替えるハメになるのだ。そしてそのお下がり品が僕のところに来る。僕にとっては素晴らしい流れである。
 もう一つ、問題がある。彼は先走る上に、思い込みが激しい。例えばかの有名な「東京めたりっく通信」。ADSLサービスが始まろうとしていた当時、彼は僕にこう言ったのだ。「ねぇ、メッタクリ入るの?」「…はい?」全く以て意味が分からなかった。そこで彼は「いや、ほらあの新しい銅線サービス。ネット様の」とADSLの説明を始めたので、「ああ、めたりっくのこと?」と返すと、「違うよ!メッタクリだよ!」と引かないのだ。もちろん東京めたりっく通信である。が、東京メッタクリ通信だったならば、面白いことになっていたかもしれない。
 この26年間でそういったことが山ほどある。顔を合わす度におかしなことを言い出すのだ。ついこの間も、「DVDシャークってあるじゃん?」「DVD Shrinkでしょ?」「違うよ!シャークだって!」とか。一瞬、そういうソフトがあるのか?とも思ったが、話しを聞くと結局、DVD Shrinkのことだった。ちょっとした間違いならば目を瞑れるが、彼は豪快に、しかも毎回何の疑いも無く間違ってくれるのだ。その素質が仕事である営業には思いっきりプラスに働いてくれているので、素晴らしい才能だと思える。僕もいつも笑わせてもらっているので、敢えて間違いそうな名前を出したりする時もある。
 今回、何故彼がDVR-3000を手放すことになったのか。彼曰く、最近レコーダーの挙動がおかしかった様だ。DVDを見ていても再生中にフリーズ。ディスクを読み込まないこともあるのだという。そこで、壊れたと思い込みスゴ録を購入したのだとか。しかし、購入から3年も経っていない。しかもまるで使用してないと言うから、そこまでレンズなどにダメージは無いはずである。「まさかなぁ」と思い、僕の部屋でラインを繋ぎ、とりあえず手元にあったDVDを読み込ませる。結果はどれも問題なく再生できるのである。
 「ねぇ、どうやって再生させてたの?」「ん、普通にファイナライズさせたやつとか」「リージョンは?」「ああ、フリーだよ」「リージョン2のディスクは試さなかった?」「試してない」「じゃあ、多分それじゃない?」という結論に至った。「で、どうすんの?持って帰る?」と聞いたところ、「いや、もういいや」という返答だったので、今では僕の部屋のLDの上に乗っている。しかしやはり今更HDD無搭載DVDレコーダーだけでは使い道が限られている様な…。

Pioneer DVR-3000
http://www.pioneer.co.jp/press/release295-j.html