apoPTOSIS:mod.HB

最近は写真日記。

オーストラリア語学留学:その8

 真夏のオーストラリアから真冬の日本へ。その時の自分を、僕はあまり良く憶えていない。憶えていない、というのは、「何もしていなかった」と同義だ。憶えている程のことをしていない。記憶に残らない日常だった。辛うじて憶えているのは、日本に帰っている間、短期のバイトをしていたということだ。それに合わせて空いた時間で、店番をしていた。初詣では伊勢神宮に行き、伊勢うどんを食べた。
 3週間程だったが、日本での生活はそういう風にして終わった。高校の同級生は大学受験で忙しく、帰ってくればまた会えるのだからと、特に連絡をしたわけでも無かった。
 オーストラリアに帰れば、また真夏の日々である。高校生だった僕は、既にオーストラリアの生活に飽きていた。日本から持ち帰ったスーファミをしたり、波の無い夏の海にボードを持って行っては、ただプカプカと浮いていた。その当時の自分は、ある意味本当に、ただプカプカと浮いているだけだった。
 後3ヶ月もすれば、また日本に戻り、高校生活に復帰しなければならない。しかも高校3年生である。やることと言ったら受験勉強。大好きだった部活にも現役としての復帰は難しい。自分が学びたいものは大学にしかない。当時の僕にとって、帰国後の1年間は憂鬱以外の何ものでも無かった。またあの高校に戻るのかと思うと、どうしようもなくなるのだった。
 1月中、ずっとその調子だったかと思う。外に出れば熱いので、授業を受けたら帰宅し、昼間は家でボーッとしていた。過ごしやすくなる夕方にはゲーセンやビリヤード場に行き、とにかく暇を持て余していた。この時期、勉強という勉強はまるでしていなかったと言える。僕を見かねた英語講師が、1月末から始まるIELTSコースに参加してみては、と誘ってくれた。そのコースに参加したところで、IELTSのテストが実施される頃には、僕は日本に居る。しかしCFCコースに参加していた頃の授業レベルを考えれば、通常コースよりも新しい発見があるかもしれない。そう考えた僕は、流されるままにIELTSコースに登録したのだった。