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最近は写真日記。

ホストになってみよう:その4

 ホストとの待ち合わせは、土曜の夜、23時に桜木町駅前だった。着いたら電話をするということになっていたので、駅に着いたことを知らせた。10分もしない内に車で迎えに来た。セダンではあったが車種を憶えていない。「うん、スーツだとまたいいねぇ。それ。ま、乗って」とせかされ、助手席に乗る。
 桜木町から伊勢佐木方面に向かい、少ししてから下ろされる。「じゃ、車置いて来るから、ちょっと待ってて」と言われ、振り返ると真後ろにホストクラブの入り口があった。地元駅でそうだったように、やはり外からでは開いているのかさえわからない。キョロキョロしていると、ホストが戻ってきた。
 「じゃ、入ろうか」と言って、彼が扉を開ける。目に入ってきたのは、ホストの群れである。「いらっしゃいませー!」と元気よく挨拶されるものの、ホストに続いて入ってきたのが僕だとわかると、それ以上の反応を示さなくなった。
 扉を開けると直ぐ左手にはレジカウンター。5m程の廊下が続くのだが、左側は途中から壁が途切れ、フロアが広がっている。右側にはキッチンがあるのだが、もちろん壁で隠されており、突き当たりにカウンターが見えるだけだった。
 そのフロアから廊下にかけてホストが並んでいた。「奥入って」と、フロアに通されると、低めのソファーと、それに見合った低めのテーブルが壁に沿ってフロアの周囲に備えられている。所々空席はあるものの、お客さんもしっかりと入っていた。
 「あ、そこ座って。何飲む?ビールで良い?」と席に通されるが、アルコールは飲む気はしなかったので「烏龍茶ありますか?」とビールを断った。「つまむものもあるからさ、好きにつまんで。お店の雰囲気とかはこんな感じなんだけれどね。まぁちょっと見学してってよ。その内専務とかも来るだろうから」と、彼は仕事に戻っていった。