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最近は写真日記。

いつもと変わらぬ土曜日 feat. チャーくん

 イタリアに来てから、週末=バスケになった。ただ屋外コートの為に天候には左右されるが、天気が良くてコートが乾いてさえいれば、バスケットコートに人が集まってくる。今週は相変わらず天気が悪く、雪ばかりだったが、金曜日の夕方からは曇り空ながら降るものが無かった。天気予報では週末から週明けにかけて、ずっと雪か雨になっていたが、金曜の深夜になっても曇り空のまま。明け方くらいには雨が降るだろうと踏んでいた僕は、結局朝まで夜更かし。週末は夜更かしをするためにあると考えている僕は、休みの前日の日に早く寝るのはもったいないことだと思えてしょうがない。
 「11時半には起きてくださいね」と、一躍有名になったにゃんにゃんチャーくんに前日言われていたが、眠気に襲われたのは朝の8時過ぎだった。気持ち良く成り始めた頃に家のチャイムが鳴る。2度目のチャイムで気づいたが、夢だったことにしようと思い、また寝に入る。すると3度目のチャイムが。時計を見ると11時45分。寝癖満開でドアを開けると、「おはようございます」とにゃんにゃんチャーくんがジャージ姿で立っている。「……。ぉはよぅ…。雨…は?」と聞くと、「そんなもんありませんよ。曇ってますが、十分できます」と、朝からチャーくんの笑顔は眩しかった。
 言われるままに顔を洗い、歯を磨きながらストレッチ。ジャージに着替えながら「で、誰か来るって?」と確認すると「いやぁ、みんな来るでしょう。電話してみます?」とボールを持っている友人にチャーくんが電話をする。「危なかったっすね。あいつも雨だと思ってたみたいです。直ぐに来るそうですよ」と危うく、バスケットコートでダルマさんが転んだとかやらずに済む。
 ベッドメイクをして、家を出る。「何時に寝たんですか?」「うーん、多分9時前かな」「え?昨夜の?」「朝の」「ああ…、は?バスケやる気だったじゃないっすか。何やってたんですか?」「雨降ると思ってさぁ、まぁ色々と1人遊びだよね」「ああ、勉強ですね」「ん?何故」「だって、本があったから。ベッド脇に。エトルなんとかの」「…見たな!そういうところは、敢えて触れずにおけ。っていうか、ベッドメイクをする前に部屋に入るな」なんて会話をしながら、コートに向かう。
 それからボチボチ人が集まって、4対4をできるくらいには集まった。14時過ぎにはバスケを終えて、ピザを食べに行く。するとM山学院から日本語教師の資格を取るために研修に来ている女子学生に偶然会う。僕はピザを食べながら、チャーくんと彼女のローカルトークを聞いていた。すると「で、ain_edさんて何人なんですか?」と唐突に聞かれる。「は?何人に思えるの?っていうか、久しぶりに言われたな」「うーん、どっかのハーフっぽいんですよ。スペインとかポルトガルとか」「ああ、ラテン系ね」それも久しぶりに言われたなと思い、「最近はやっぱりトルコとかイラクとかが多かったかな。東南系もあったけれど」なんて過去の「何人でしょう?」質問を思い出した。
 それからチャーくんのにゃんにゃん話しをして、M山学院はやっぱり力の入れようが違うんだねぇ等と雑談。ペルージャのゲーセンに行ってみたいという彼女を連れてゲーセンに行く。ペルージャに来て、初対面同様で、日本人の女子で「ゲーセンってありますか?」なんて言っちゃう子に僕は始めて会った。僕も去年以来だったが、置いてあるゲームは何も変わっていない。バーチャストライカー3をクリアして帰宅。心配された天気は相変わらず曇りのままで、時々晴れ間が覗く。夜はチャーくんが所属するサッカーチームの試合があり、シャワーを浴び、今度はサッカー場に向かう。
 ちなみにチャーくんは背番号10番のトップ下。試合は先制されるも、後半には追いつき2対2の引き分け。チャーくんは後半途中で交代。ちなみに天気予報で言われていた雪は、試合後半途中から降り始め、人工芝のグラウンドを白一色に変えた。雪の所為でバスも来ず、車で来ていたイタリア人がそれぞれ街まで送ってくれる。そのまま帰宅して、夕食を食べてダラダラして就寝である。
 日本に居れば週末=おでかけ、という考えにもなるがペルージャに居るとそうは成らない。これは出不精の僕の性格でもあるのだろうが、やはり出かけるのであれば、平日の方がイタリアは動き易いだろう。土日は交通機関も変則的に成っているし、商店も閉まっていたりする。観光客が多いおかげで、美術館、博物館や店に入ろうとしても人が多過ぎてうんざりするのだ。それならば家でゆっくり過ごしたり、近場で運動をしたりが丁度良い。ヒキコモリの僕には持ってこいなのである。
 しかし何故チャーくんが僕を起こしに来るまでバスケをしたかったのか。彼は3月中旬からイタリア旅行に出て、そのまま日本に帰国する。今まで僕らは一緒にバスケをプレイする機会に恵まれなかった。イタリア太りした僕を見て、「本当にバスケできるんですか?」と疑っていたのだが、2月に入って始めて一緒にプレイすることができた。それ以来「どんなトレーニングしたんですか?」など、体育会系満開の話しに花が咲き、バスケとサッカーの筋肉の違いなどを延々と語ることもあった。
 サッカーの試合を見ていて、やはりイタリア人と日本人の体格の違いを見せつけられた。チャーくんの所属するチームに日本人選手は5人出場していた。その内の1人は10代の頃からイタリアでプレイしているので、身体の鍛え方が違うのだが、20代から1年とかのスパンでプレイしている日本人は、やはり体格の差が出てしまう。とにかく日本人は細く小さいのだ。少しスピードがあるくらいでは話しにならない。スピードとボディコントロールが高ければ、体格などはどうにでもなるが、どちらかが欠けていると当たり負けして飛ばされるのがオチである。
 昼はバスケ、夜はサッカー。いつもと変わらぬ土曜日である。本当はそれぞれに思いついたネタを上げようかとも思ったが、たまには日記にするのも良いかもしれない。