apoPTOSIS:mod.HB

最近は写真日記。

僕はバスケ部で彼女は:青春てこんな感じ?:起

 彼女はチアリーダーだった。僕が彼女に告白した時には、僕の留学は既に決まっていたけれど「えぇぇ!冗談だと思ってたけど、本当なんだぁ…。だったら告るなよって話しだけれど、まぁいっか。留学するまで5ヶ月ちょいしか無いけれど、期限付きの恋愛もいいかもね」と、彼女は笑って答えてくれた。僕も彼女も16歳だった。
 うちの高校のチア部は有名で、全国大会でもベスト3に入ったりしていた。高校に入るまで、チアリーダーってフリフリのミニスカート履いて、ボンボン持ってパンチラしてれば良いんだろうなんて思っていたけれど、実際の練習を見て「えっと、ここは組み体操部か何かですか?」ってキョドった。バック転やバック宙の個人練習は基本だが、3段タワーとか、そこからジャンプとかは見ていてヒヤヒヤした以上に、受け止める側にはなりたくないなって1人で痛がったりした。
 高校の体育館は部室棟の上にあって、建物の2階部分にあった。チア部はいつも部室棟の目の前でマット敷いて練習してたから、タワーとか組むと、体育館の渡り廊下から握手ができる程度の高さになってた。フットワークが終わって渡り廊下で麦茶片手に涼んでいると、いつもその下で彼女が手を振ってくれた。僕の実家が果物屋で、彼女は僕のことを「フルーティー」って呼んでて、そうするとチア部の子たちも「フルーティー」って揃えてて。それならまだ良いんだけれど、流石に下の子たちからの「フルーティー先輩」ってのはナシだと思った。
 実はクラスも同じで、うちのクラスは女子30人、男子2人という女子クラスで、女子校と化していた。しかも他の教室がある棟から隔離されていて、女子の皆さんはやりたい放題だった。例えば隠さずに着替えたり、スカートぱたぱたしたり、セックスの話しや生理の話しだったり。僕らがつき合いだして、クラスの4分の1からは何故かヒンシュクを買い、他の4分の1は応援したりネタにしたり、他の4分の2っていうか、約分して2分の1は「ああやっぱり」という反応だった。ヒンシュクってのは「何であの男?」か「何であの子?」に別れていて、応援する子にしても「たまには私とセックスしよう」とか「ちょっと彼女の事好きな男子がいるんだけれど」とか「そういえば女バレの後輩が泣いてた」とか、要するに楽しんでる人間が沢山いた。ただ彼女ができても「ねぇ、昨日ちゃんとオナニーした?」って手を動かしながらの質問は毎朝されてたけれど、そんな子でも電車の中でスカートに精子をかけられた時には、「オナニーは家の中でしてください」って凹んだりしてたのを見て、やっぱり女子って複雑って思った。でも複雑だなぁって思いながらも「今日のパンツ可愛いでしょ?」てスカートを捲られたりすると、やっぱりマジマジと見てしまう自分に「男」を感じたり。
…つづく。