ペルージャ病
「ああ、これはもう完璧にペルージャ病だねぇ」と、一緒に食事に行った友人に指摘された。一言で言えば「手を抜き過ぎ」ということなのだが、具体的な例を上げてみよう。
- 靴下を履くのが面倒臭いからと、ガムテープで補強されたサンダルを使う
- ドライヤーを使ったことがない
- ドライヤーを持っていない
- 髪は自然乾燥
- 髪は伸び放題
- 整髪料を使わない
- クシ・ブラシの類いも持っていない
- コンタクトをするのが面倒臭くてメガネ
- ヒゲも伸び放題
- 服装に変化がない
- 胸毛
この時はシャワーを浴びた後にピザを食べに行ったのだが、ピザ・レストランながら、僕はガムテープサンダル、髪洗いっぱなし、メガネという出で立ちだった。要するにちょっとそこまでルックなのである。しかし僕の住んでいる場所は、一応ペルージャの中心部である。ウンブリア州の州都でもある。そんな場所であまりにも、身なりに気を遣わな過ぎるので、「ペルージャ病」と呼ばれたのである。
その食事の席には女性もいて、女性の場合の変化をあげていた。
- メイクが薄くなる
- メイク道具を持ち歩かない
- 整髪料を使わない
といった風に基本的には「手を抜き始める」ということらしい。イタリア人女性の場合、昼と夜では化粧が違う。昼は薄く、もしくはすっぴん同然、夜は塗りまくりである。格好も昼はシンプルで、夜は露出度が高い。日本人女性の場合は朝からきっちりメイクをするが、さすがにあれはやり過ぎだと僕も感じる。
かといって、僕だって日本に帰れば髪も切るし、ドライヤーや整髪料も使う。ちょっとそこまでルックは、本当にちょっとそこまでで、そんな格好でレストランに入ったりはしない。「こんな僕でも、日本ではちゃんとした格好してますからぁ!」と言ったら、「ああ、日本にはペルージャ病のリハビリに帰るんだ」と言われて、「ああ、確かに!」と答えてしまった…。