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最近は写真日記。

ホワイトバンド

 夏、日本に帰国する時に色の着いたゴムのブレスレットを、お土産として友人に渡した。その中に白色のブレスレットがあったのだが、それを見た他の友人が「あ、ホワイトバンドだ」と言った。メディアで取り沙汰されていたので知っていたが、残念ながら僕が購入したものは1ユーロで買える、ただのゴムのブレスレットだ。
 ある知人が「ほっとけない世界のまずしさ」がどうのと、しきりにホワイトバンドの購入を薦めていたのを覚えているが、僕は街中の募金活動からして良い思い出がないので、そういうことには関わりたくない人なのである。確か神戸の震災募金か何かで、それは秋葉原だった。僕と当時の彼女が歩いていると、その募金収拾員はしつこいくらいに「たったの1000円とかですよ。ご飯をちょっと我慢してもらえれば。困っている人がいるんです」と僕らの前に立ちはだかった。残念ながら学生の僕らにとっても1000円は大金である。それで1日の昼食と夕食が食べられる金額である。それを「たったの1000円とか」と言われた日には腹が立って当たり前である。
 ホワイトバンドの貧困に対する活動費は300円の内、たったの29円で、その活動費の具体的な使い道も決まっておらず、実際に使われ始めるのは2006年に入ってからというのは有名な話しである。ホワイトバンドの普及で、世界の貧困に対する視野が広まったことは喜ばしいことだが、何をもってして貧困と言っているのかは見え辛い。
 とりあえず言えることはホワイトバンドは成功している、ということである。かといってそれは「ほっとけない世界のまずしさキャンペーン」の成功と同義ではないことは確かでもある。何だったらそんな「ほっとけない世界のまずしさ」は別にして、ホワイトバンドだけファッション用に売った方が募金詐欺とか言われないで済むだろう。それならそれで良いと思うのだが、それではやはりホワイトバンドは売れないのだろう。おかしな話しである。