apoPTOSIS:mod.HB

最近は写真日記。

夢でキレてた

 それは小学校3年から高校2年まで過ごした借家だった。僕は留学する前日の様で、荷物の整理をしている。その借家で留学というと、オーストラリアしかないから、多分そうなんだろうけれど、そこに出てきた友人達は大学の友人とかイタリアで知り合った人とかがいたから、何でもあり状態だった。
 オーストラリアに留学した時は勉強のための本より、小説の方が多かった。イタリアに来た時はその逆で、小説は2冊しか持ってこなかった。夢の中で僕は何故か「漫画本」を探している。友人に「何で留学するのに漫画なんて持ってくのよ?」と聞かれるが、「あれだけは特別なんだ」と僕は必死だ。本棚には吉野朔実の漫画が並んでいる。お目当ての漫画はどうやら吉野朔実の作品ではないらしい。「らしい」というのは、聞いたことのないような題名で、作者も知らない上に、覚醒した時には既に忘れてしまっていた。
 半ギレ状態で、母親に聞くと、「ああ、誰かが持って行ったわよ」などと戯けているので、知り合いに片っ端から電話をかける。僕は自分の持ち物を他人に勝手に動かされることを嫌う。例えば帰国する度に僕の机からカッターやハサミ、セロテープなどが無くなっているが、動かされていることに直ぐに気がつく。しっかりと元の位置に戻してくれれば問題はないのだが、家の者はそれを忘れて、結局見つけるのに一苦労する。それが何よりも苛立つ。必要な時に直ぐに使える様に用意してあるのに、それを他人に邪魔されるのは腹立たしい。
 そんなイライラが蓄積されて、犯人がわかった時にはキレまくっていた。「明日出発なんだけれど、今すぐにその本、持ってきてくれないかな。何で勝手に持って行くかな」等とわめいている間に目が覚めた。現実的に考えて漫画本を持ってくることは無いし、無ければ無いで、道すがら購入すれば良いだけなのだけれど、あの苛立ちは本物だった。多分、最近現実世界で、DVDを見ようと思ったらそれが見つからなくて、貸した相手が誰かもわからず、取り合えず知人に電話したら、知人の間でまわっている事実を知ったからだろうか。子供の時に、また貸しとか言ってたけれど、やっぱりそういうのが嫌いだった。苛立った原因は、また貸しばかりする人間がいつも何の断りもなく、しかも責任感が伴わない人間ばかりだったからだろうか。そんな経験が僕を限定する。現実世界だけでなく、夢の中でも。