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最近は写真日記。

THE 有頂天ホテル

 帰国最初の映画は三谷幸喜作品。大晦日という設定だけでに、ラヂオの時間の様な、どたばたコメディかと思っていたが、まるでそうではなかった。ダラダラと見て、そこそこ笑って、安心して見られたな、という感じだった。欲を言えばもう少し山があっても良かった。前半部でタネをばらまいてはいるが、最後にそれらがどうなるわけでもなく、わざと外しているのか、収集が着かなかったのかは甚だ疑問ではある。
 このTHE 有頂天ホテルを簡単に説明するとしたら、「男と女のバランス」とでも言えるだろうか。というかほとんどの映画がそれで成り立っているわけだけれど、この場合は「男=三谷幸喜と女=小林聡美」と当てはめることができる。出てくる男性は一見「しっかりしてそうに見えて、どこか抜けている」キャラばかりである。女性はその逆で、表面的には男性を立てながらも、ここぞというところで活躍しては、男性をフォローして物語を進めていく。つまり縁の下の力持ちは、この映画内では女性なのである。男性優位社会は結局「女がいなければ、男なんて役立たず」を嫌というほど見せてくれるわけだ。
 色々な意味で反感を買いそうなテーマを、当たり障り無く表現してしまうのが三谷幸喜のうまさなのだろう。僕はコテコテのどたばた喜劇を期待して見に行ったわけだが、良い意味で三谷幸喜に裏切られた気分である。

THE 有頂天ホテル
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