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最近は写真日記。

末っ子の政治力

 最初に、「すべての」末っ子がそういうわけではなく、僕が今までに出会った末っ子と断っておく。僕の妹にしても、僕が今まで出会った末っ子にしても、ある一定の法則が見受けられた。特徴として、

  • 自己顕示欲が強い
  • 感情表現が相対的に長男・長女より優れている
  • 長男・長女(血の繋がり関係なく)に対してなんらかのコンプレックスを抱いている
  • 自己の安定のために他人を使うことを厭わない
  • 他人を否定してでも、自分は肯定する

 と、あげていくとキリがないのだが、自己顕示欲が高く、自分の居場所を作るためには何が何でも自分を正当化しようとするきらいがある。というと、「方法論が逆だ」と言われるかもしれないが、要するに以上のことに当てはまる、僕が今まで出会った人間に、「兄弟、姉妹は?」と聞くと、ほとんどの場合が「末っ子」だった。実際のところ、自己顕示欲以下の項目は、顕示欲達成のための方法でしかないといえる。
 例えばある場所では、「長男(長女)はできる子ね、だからあなた(末っ子)もできるでしょう」と言われれば、できる限り長男(長女)を持ち上げる。ただし、あまりにも長男(長女)に利益が傾いている場合は、バランスを取るために、長男(長女)を否定して、自分を持ち上げようとする。逆に、「長男(長女)はできないのに、あなた(末っ子)はできるのね」と言われれば、できる限り長男(長女)を落とす。そしてこの場合も、あまりに落とし過ぎると後々自分にとって都合が悪くなるので、最低ラインは確保しておく。
 そしてその手法として、身内には絶対に見せないような表情を駆使する。ある種、躁鬱状態と言っても良いだろうか。誰よりも明るく、そして誰よりも泣いてみせる。目標の注目を得るためには、人目を憚ることがない。と、これは極端な例かもしれないが、要素は少なからず持っている。一言で八方美人と言ってしまえば良いのかもしれないが、その場を切り抜ける(面倒臭い、等)ための術ではなく、自己顕示欲達成という目的がいつでもついてまわる。
 そのため、寂しかったり、愚痴を聞いて欲しかったり、イライラしていたりと、精神不安定の時には他人に頼る傾向が強い。この場合対象の役割は、それぞれに異なる。「異なる」というのは、否定するための対象か、もしくは肯定してくれる対象か、である。根本的に、問題解決のための対象ではなく、自己安定のための対象であるので、主体は問題ではなく、あくまでも自分である。これを間違えると、その「末っ子」の相手をしている対象は、末っ子の新たな「愚痴の対象」へと変化する。
 政治力という題名なのだが、つまりはそういった手法によって、彼等は自分の居場所を確保していた。居場所とは物理的なものではなく、人と人によって認められる場所であり、しかも排他的な繋がりが多い。これはもともとが排他的な繋がりであったわけではなく、自分を守ろうとするがために、排他的にならざるを得ないのだ。つまりはある繋がりに政治力の強い末っ子が入ると、そのグループは結束が強くなる代わりに、排他的になる傾向にある。言ってしまえばそのグループはその末っ子のために存在することになるのだが、そういったバランスの取り方は絶妙である。
 換言すれば、「どう行動すれば、どれだけ自分が可愛がられるか」を知っているのが、僕が今ままでに出会った末っ子の特徴だった。ということを書くと、「そんなことはない」と言われるので、「実際に末っ子じゃないにしても、末っ子キャラの人間」と、レンジを広くしておいた方が無難かもしれない。