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最近は写真日記。

森千夏に冥福を

 森千夏とは偶然なのか必然なのか、ちょっとした繋がりがあった。といっても直接的なものではなく、間接的なものなのだが、ニアミスと言っても良いだろう。まず高校が同じである。しかも僕は留学して留年しているので、学年は1つしか変わらなかった。当時から彼女の名前は耳にしていた。大会があれば必ず表賞されていた。僕が大学に入り、2年に上がる頃、彼女が同じ大学に入学した。僕が大学でまた留年し、彼女と同学年になった時、彼女は日本記録を出し大学新聞の一覧を飾っていた。
 同じ高校で、同じ大学。一方は将来を有望される陸上選手。一方はうだつの上がらない凡々学生。さして母校を愛してはいなかったが、それでも同学校卒業ということで、彼女を応援していた。オリンピックへの出場が決った時には、まるでミーハーみたいに「同じ学校でさあ」などと話しをしていた。彼女が密かに病魔と戦っていることなど知らずに。
 彼女の死を聞いた時にはやはりショックだった。ショッキングという意味合いではなく、そうだったのか、という意味合いで。テレビインタビューに答える高校の体育教師を見ていても、なんだか府に落ちなかった。かといって、彼女の死が僕に影響を及ぼすかと言えば、そんなことはなく、ただ何となく、身近なヒーローを失った様な、そんな感覚なのである。