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最近は写真日記。

初ボーナス

 人生で初めてのボーナスである。といっても入社すぐで、しかも試用期間3カ月内なのでお小遣い程度であるが満額になると年6+αなので、それなりにはなる。派遣から正社員になり、福利厚生は充実したものの、残業に比べて手取りが減った気がする。労働時間が増え、雑務が増えた。派遣社員というのは業務が整理されていて素敵だと思う。
 会議もまた増えた。派遣社員の頃も会議に出席することが多かったが、今は役職者会議とかに出席して発言しなければならない立場になった。派遣さんの人事面接もして、人を天秤にかけなければいけなくなり、最終決定責任まで負わなければならなくなった。派遣コーディネーターと待遇の交渉もする。随分とリスキーな会社だな、と思う。就職経験もなく、ちょっと前までただの学生だった者にそこまでの権限を与えている。現段階、もしくは時が経てば経つ程、僕が抜けた場合に業務は滞ることが確実だ。僕が抜けないという自信がきっとあるのだろう。給与的な自信か、それとも僕自身の懐具合を換算しての妥当性か。
 確かに今の所、直ぐにでも抜けたい、というほどの理由はない。多分これから先も、もし長期的に続けていくのであれば、それ程の理由はないだろう。結局のところ片手間でしかない、という根源的な理由があるからだ。私的時間を侵食しない、というのが具体的な理由か。
 「男は社会に出てからだから」と顔を会わす度に言う人がいたが、相変わらず学生時代と何も変わっていない。現実的に収入が増えた、くらいのもので、買うものも行くところも何も変化がない。収入が増えたからといって相変わらず物欲はなく、本を買うにも古本屋が基本である。車があっても、1人の時の移動は専ら自転車である。生活を変える程の収入がまだ無いのか、収入があっても生活は変わらないものなのかは、多分後者の方だろう。物欲は減るばかりで、知的好奇心のみが増していく。稼げば稼ぐほど、物欲は絞られていくようだが、それ以外にも様々な要因はあるのだろう。
 結局ボーナスは飲んで(アルコールは相変わらずダメだが)食べて消えた。何も変わらない、と書いたが、食の好みは変化しているな、と思い直した。収入が増えて今まで自分が食べなかった様なものを多く食べる様になった。ジャンクフードよりはスローフードを。その変化は贅沢であり幸福なことなんだろう。