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最近は写真日記。

伊客万来

 日曜日、月曜日と2日間連続で来訪があった。それぞれイタリアで知り合った人々で、久しぶりの再会ではあった。

  • 日曜日

 昼から貴族のY、ドMのI、女性貴族のRちゃんが遊びに来た。男性陣2人は半年ぶり、Rちゃんは1年以上ぶりである。相変わらずな彼らであるが、それぞれに社会人をしているらしい。ドMのIに至っては「想像力が無くなって、つまんない人間になりましたよ…。もうドMだなんて、言い張れないです」と社会の荒波にもまれているらしい。貴族のYは、先日行ったピンサロでヘルペスをもらったらしく、泌尿器科→皮膚科→女医に触診と貴重な体験をしたという。その体験を誰よりも羨ましがっていたのはドMのIである。Rちゃんは未だに文化会館で働いているという。大使館の裏側とか、外交官の日常とかを聞いたが、想像通り過ぎて笑えた。

  • 月曜日

 昨年結婚式を挙げた新婚夫婦が家に立ち寄り、夕食を共にした。休みを取っての旅行だという。今回は一緒に生活をしているパピヨンのベリーも登場。披露宴では日本に適した雰囲気を醸し出していた2人だったが、先日はイタリアの時の様なほのぼの感に溢れていた。ベリーとルイは、うちのアイン以上に打ち解けている感じで、犬と猫の共生は案外と簡単そうだと感じた。
 2日間を通してありがたく思えたのは、各々がうちのジュニア達と遊んでくれ、遠慮なくくつろいでいってくれたことである。イタリアで出会い、今でも続いている人間は、僕の家族性を認識している人々でもある。換言すればジュニア達を抱えているが故に行動範囲が限定される僕らのことを、気を遣うことなく、自然に考え行動してくれる人達でもある。つまり僕の行動範囲ではなく、家族としてのユニット行動範囲を考慮(過剰意識という意味ではなく)して、接してくれる。家族を持つと、その意識の有無の差は大きい。イタリアという不便な地で生活を共にしていたからこそわかり易い部分もあるのだろう。
 共通する質問事項は「いつイタリアに戻るのか」と「3人目はいつか」である。どちらも現実のものにするのだが、相変わらず具体的なスケジュールが組めていない。今の収入で考えれば2年の内にと言えるが、ただ行くことが目的ではないため、それ以外に策を労しないといけない。経済的な問題が根本にはあるが、帰国後のことを考えて準備中(勉強中)である。日本での所属先も問題ではあるが、依るべき所がないのであれば、自分で立つ以外に考えられない。考えている、とは経過を見せるべきでもある、という言葉を肝に命じて行動しなければいけないと自分を戒める機会でもあった。
 何よりも興味深かったのは、誰も「イタリアに戻りたい」と言わなかったことである。それぞれイタリア滞在中「イタリア大好き」とは言わなかったが、全くもってイタリアに興味を示していないのは面白い事実である。今でも、嫌でも仕事上イタリアと関係している人間がいるからなのだろうが、相変わらずイタリアに対して良いイメージを持っている人間がいないのは、住んでみなければわからないイタリアの悪い部分に起因しているのだろう。そういう意味ではアンチイタリアが故の繋がりなのかもしれない。