JBはボンド、ジェームス・ボンドじゃなくて、ジェイソン・ボーン

　三部作、集中して見てしまった。サスペンス・アクションというジャンルになるみたいだが、とにかく情報戦と近接戦闘ばかりに目を奪われた。カーチェイスはボーン・アイデンティティのものが一番見応えがあった。1作目はハッピーエンドで十分に楽しめるが、個人的には2作目の情報戦が印象深い。パメラ（追う側）が、ボーンの追跡指示（段階的指示で、結果的にボーンを追い込む内容だった）を出し、「彼の先手を取るのよ」と発言した時には、既にボーンに先手を取られいつ狙撃されてもおかしくない状況に陥ってるシーンには興奮した。ただし個人対CIAで、そこまで戦える人間が本当にいるのかは疑問である。
　Wikiを見て、もっと驚いたことがある。原作は1980年で、かろうじてアルティメイタムだけが1990年にかかってはいるが、三部作は80年代に創造されたものだったのだ。何が、と言われればまずはその設定である。「原作と映画は別物」とWikiにはあったが、エシュロンの活用などはそのままなのだろう。情報戦を支える設定がその時代に作られた、というのがまず最初の驚き。そして80年代の初頭であれば、EUもなければソ連や東西ドイツも当然の時代である。その中でここまで世界を舞台にできる映画は007以外には無さそうである。そしてこれは映画の設定なのかもしれないが、出てくる女性が男性一同よりも頭が良いこと。007であれば結局はヒロインとしてのジェンダーが見え隠れしてしまうのだが、ボーンシリーズでは性的存在以上に、能力で目立っているのである。80年代の設定だとすれば、やはり驚きなのである。
　三部作三部作と書いているが、続編の制作が決定しているらしい。奥さんとも「これで終わりなの？」「みたいよ」的な会話があったが、続編が上映されればまた一つ楽しみにが増えるのである。
　合間にウォンテッドも見たけれども、何も言わないでウォンテッド。