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最近は写真日記。

一流企業の幹部社員にできる人間がいるかどうかがそもそもの疑問

理由1.一流はそもそも超一流になれないBクラスだから
理由2.会社が一流であっても、人材は一流とは限らないから
理由3.働く時間が短縮されているから、途上国に勝てないという浅はかな考えが三流だから

 冒頭はネタです。
 本題。

プロの条件は、2つある。有能である(able)ことと、いつでもつかまる(available)こと。夜9時・10時でも客から掛かってきた電話には応対しなければならない。さもなければ新しい仕事を逃す。子育てのために残業が出来ないという女性は、プロになれない。

「子育てで残業できない女性はプロになれない」のか?より。
 プロの条件に関してはOK。が最後の一文は「私は仕事ができません」と自ら言っている様なものだ。残業しなければいけない状況とは何か。デスク仕事か製造業か。幹部と言われるくらいだ、前者だろう。まさかコンベアとかスタッフが必要な仕事をしているわけではなかろう。だとすれば、「会社のデスク、もしくは会社内でしか仕事ができない環境」を構築していること自体がアウト。それこそ三流だ。
 途上国がフォーディズム的労働であれば、日本はポストフォーディズム的である。言うなれば労働時間と私生活を隔てるものは、「労働環境への身体的拘束」であり、その一点のみがフォーディズムかポストフォーディズムかを区別させる要因ともなる。対面接客以外であれば、電話やネットワーク環境があればどうにかなる状況にまで、日本の社会インフラは成熟している。突然の顧客からの依頼でも、会社内でなければ対応できない、というのは国家機密に関わる様なセキュリティか、もしくはそういった要件を定義できていない社内システムに問題がある。
 要するに「仕事場でしか仕事ができない、という概念を持って残業を定義づける」という考えが既にアマチュアであることを物語っている。自分の仕事は定時以内に終わらせる。イレギュラー対応ができる様、SaaSなりPaaSなりを構築していれば、残業するまでもなく顧客対応は可能になる。依頼内容さえ聞き、次の日の仕事場で作業を終わらせれば良いだけの話しである。自社システムでなければできないのであれば、外からVPNでリモートすれば良いだろう。ネットワークが整っている環境で身体的拘束にこだわるのは愚の骨頂である。
 滞在先ではどうすれば良いか。同様である。BPOなどで途上国に赴く機会がある。IP-VPNを利用すれば本国のネットワークは利用できるし、Skypeも可能である。ある意味途上国の方がデジタルアーカイブが進んでいて、日本や欧州みたいに紙の形式にこだわる必要性がなかったりする。
 長々と書いたけれど、実のところ「私は仕事ができません」と証明しているのは子育て=女性という日本の家庭公式を持ち込んでいるところだったり、「企業間対応をあくまでも個人対応にすり替えている」部分だったりするのである。
以上から、

「子育てのために残業が出来ないという女性は、プロになれない。」は、
1.残業→身体的拘束→仕事場依存→フォーディズム→途上国→社会インフラ未熟→ITリテラシー不足
2.子育て=女性→男性=労働→出世→成功→(人生目標?)

 という読解ができるのだけれど、そういう言葉を「さらっと」言える人間はやはり一流じゃないと思った。
 ちなみに僕は仕事は仕事場(自分のデスクでなくとも、社内環境内)で終わらせます。子供を病院に連れて行くときは休みます。早めに帰らないといけない時は帰ります。代わりはいくらでもいます。代わりをいくらでも作ります。それがリスクマネジメントで、どこで担保できるかを、人やインフラを使って構築することが全てなんじゃないのかと思うのです。