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最近は写真日記。

日本対マルタ

 兎も角、決定力不足。ドイツ戦でもそうだったが、キーパーと一対一になっても大黒がまるで決められない。また3-5-2の時はそこまでパスミスが目立たなかったが、フォーメーションが変化する事に、中から外へのパスがまるで通らなくなった。通らないというのは、パスカットされて通らないわけではなく、パスミス、しかもパスの受取手が上がっているはずの場所にいないなどのミスが多かった。
 唯一面白かったのはメンバーチェンジする事に変化するフォーメーションである。大きな変化は3バックか4バックかの差なのだが、中盤にこれだけ変化が持たせられる程に、日本代表の中盤はレベルが上がっている様だ。3-5-2から、4-4-2。小野が入り、RMFに。俊輔は得意のLMFにつき、その後ろに中田と福西がDMFとして控える。ただ中田はOMF兼DMFとしての役割が高かった。その後、玉田が小笠原と交代し、4-2-3-1へ。中盤3人は小野、俊輔、小笠原がそれぞれ入れ代わり、巻を囮にパスを出していく。
 僕は個人的に4-2-3-1というフォーメーションが好きだ。ポルトガルがこのフォーメーションでチームを形成した時に、中盤のパスまわしは本当に美しかった。フィーゴセルジオ・コンセイソンマニシェルイ・コスタ、デコやC・ロナウドなど、正に彼らを活かすためのフォーメーションと言えるだろう。
 しかし先日の日本代表に欠けていたものがある。小野が入ることによって、中盤のプレイはユニークで、パスプレイ中心のものになった。その代わりに、4バックで求められるはずのSBのオーバーラップがまるで機能しないのだ。加地の代わりに入った駒野はアグレッシブに上がってはいたが、得点に結び付けられるような決定的なプレイはなかった。また左サイドにしてもアレックス、中田浩のSBよりも、俊輔、小野がプレイしているシチュエーションの方が多く、中盤に依存しSBがオーバーラップをかけるシーンはあまり見られなかった。
 この点、ポルトガルはボディバランスと体格に優れたパウレタを活かす様にしっかりとSBが上がり、中盤からサイド攻撃へ、サイド攻撃から中盤へと攻撃がスムーズに臨機応変に変化する。そういう狙いでトップに巻を持っていったのだろうが、ポストプレーヤーとしても、ワントップとしても効いていなかった。
 1試合で3つ、しかも攻撃的に変化するフォーメーションを組める程に、日本代表も進化していることは嬉しいことだが、それが得点に結びつかなければ意味がない。高原、柳沢がトップに入れば、また新しい可能性が開けるのだろうが、控え選手に決定力が無いとジーコにしても使い難いだろうし、相手国としても高原さえ潰せば後のFWは恐くないと侮られても仕方ないだろう。見ている限りでは大黒はしっかりと中田に反応しており、相性も良さそうなので、後は決定力だけである。本戦でその力が発揮されることを期待したい。