apoPTOSIS:mod.HB

最近は写真日記。

サタデーナイトフィーバー at Blobart

 id:barmarikoから指名があったので、ぶっちゃけてみよう。あれは2年も前の話し。僕がペルージャ大学に入学した年の、前期授業終了間近、12月のことである。毎週土曜日は気の合う友人たちと、Blobartというパブに飲みに出かけていた。友人たちはそれぞれにストレスが溜まっており、毎回延々と朝まで話し続けた。例えばある友人はコックであり、仕事が終われば直ぐにBlobartにきては生中をガブ飲みし、「ちょっと聞いてよ〜」と愚痴が始まる。marikoに関して言えば、彼女はこの頃ダウンタウンという名前のパブで働いており、その仕事でのストレスを発散する場でもあった。僕ら学生はイタリアの日常的なことを話し、可愛い女子を見つけてはキャッキャッ騒いでいた。
 集合時間は23時過ぎ。帰宅はいつも朝の5時を過ぎていた。最初は日本人だけのテーブルなのだが、飲めば飲むほどそれぞれ移動しだす。イタリア人とナポリ民謡を歌ったりして、最後はわけがわからなくなって帰るのである。思えばあの時ほどお酒を飲んだことはないだろうし、社交的だった自分はあれが最後だった気もする。ちなみにそれだけ飲んでも友人割引ということで、1人10ユーロもいかなかった。「これで経営が成り立つのか?」と心配していた矢先にBlobartは潰れてしまったのだが、それはもうちょっと先の話しである。
 そんなある日のこと。mariko宅で食事をし、ほろ酔いでダウンタウンへ向かった。本来ならば早々にBlobartへ行くはずだったのだが、お客さんに捕まり僕らはガンガンに飲まされた。僕は残念ながらそういう場所では出されたお酒は美味しく飲んでしまう。不味いお酒はやっぱり飲み会のお酒で、主体的に酔おうと思わない限りはやっぱりお酒は美味しく感じないのである。
 気がつくとmarikoの様子がおかしい。フラフラと店中を歩き回っては、ケタケタと笑い転げている。人の杯にお酒が無くなれば何処からか持ってきては注ぎまわっている。「あれは酔っぱらってるよねぇ」などと友人たちと笑いを堪えながら見ていたのだが、オーナーの彼女であり、marikoの同居人が「……私、連れて帰るわ」と立ち上がった。結局僕らもmarikoの家までお供して、「おやすみ」を告げたはずなのだが、僕らが家路につく途中で坂道を登っていくmarikoらしき人影を見たのである。その坂道の先にはBlobartがある。その日の僕らは既に限界だった。marikoを追いかけることもできずにそのまま帰宅したのであった。
 次の日、夕方過ぎにmarikoから酷い声で電話がきた。「…昨日のこと、私、覚えてないんだけど〜。私、何か失態やらかした…?」と、凹み気味であった。どうやらあれから他のイタリア人友人を呼び出して、明るくなるまで飲んでいたとか。どうやって帰ってきたのか覚えていないのはまだしも、どうやってそこに辿り着いたのかさえ覚えていないという。というより、ダウンタウンの途中から意識は既に飛んでいたようで、「一度帰ってきたのにね」と言っても「へ?うそでしょ。ダウンタウンからBlobartに直接行った気がするんだけれど」と覚えていない。
 当時はそんなことが日常茶飯事だった。僕も家に着いてから吐いたりして次の日はお酒臭全開で、バスケに行ったものである。お酒はほどほどに。日本でもね、マリちゃん。