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最近は写真日記。

鋼の錬金術師:荒川弘

 やっと6巻まで読了。イタリアに居る時にネット上でFull Metal Alchemistの名前は良く目にしていたけれど、それが鋼の錬金術師のことだとは知らなかった。アニメではAsian Kung-Fu Generationが主題歌を歌っているけれど、確か去年はNARUTOの主題歌を歌っていた。おまけにアジカンなんて訳されて、せっかくの名前が台無しだ。
 「等価交換」というテーマが、この漫画の根本なんだろう。「一は全、全は一」という考え方はプラネテスでも繰り広げられたし、何よりも「全は個、個は全」という思想が風の谷のナウシカの原作:宮崎駿にて上手く説明されている。鋼の錬金術師のおかげか、最近では錬金術師という名前を他の漫画でも使われている。それまで錬金術師というと出来損ないの化学者というイメージがあったが、鋼の錬金術師以降はそうでもないのかもしれない。
 鋼の錬金術師にとっての等価交換。それはもう彼の人生以外は考えられない。人生をもって錬成するもの、人生を賭けて手に入れたいもの。それは未だに「母親」という抽象的なものだが、話しが進めば何を示しているのか具体的になるのだろう。

「なんでお前が泣くんだよ」
「あんた達兄妹が泣かないから、かわりに泣くの」

「生きていればいつか命は尽きて、肉体は土へ還り、その上に草花を咲かせる。魂は「想い」という糧になり周りの人々の心に行き続ける。世のあらゆる物は、流れ、循環している。人の命もまたしかり」
荒川弘鋼の錬金術師」第5巻
鋼の錬金術師 (5) (ガンガンコミックス)

「守るべき人がいるから。でもそれは誰に強制された訳でもない。私が決めたこと。私は私の意思で引鉄を引くの。守るべき人のために。その人が目的を果たすその日まで。迷う事無く引鉄を引くわ。あの子達にも強い意思があるのならば、自分で決めて進むでしょう。たとえばそれが泥の河であったとしても」
荒川弘鋼の錬金術師」第6巻
鋼の錬金術師 (6) (ガンガンコミックス)