apoPTOSIS:mod.HB

最近は写真日記。

ホストになってみよう:その1

 あれは確か、幼なじみと神保町で買い物後、秋葉原を経由し、五反田まで徒歩で歩いた時のことだ。報告書を探しに神保町に出て、散歩がてらに秋葉原まで行った。神保町と秋葉原の途中で昼食を取り、秋葉原を出る頃に夕食を食べた。話しが盛り上がっていたため、とりあえず歩こうか、ということになった。本当は新橋でJRに乗る予定だったが、相変わらず話しのネタがつきないので、そのまま歩くことになった。品川を目指していたのだが、何処で間違えたのか着いた駅は五反田だった。秋葉原を出てからかなりの時間が経っていた。
 歩いている間、僕たちはいつもの様にバカ話をし、ネタが途切れることがなかった。その中の話題の1つにホストネタがあった。「やっぱり、ホストはNo.1を目指すのか?」「髪型は一昔前のジャニーズ系じゃないといけないのか」「シャツの襟はスーツからはみ出してないといけないのか」「ライターをつける時には、何らかの決め台詞があるのか」等々。当時、キャバクラや風俗でバイトしていた友人はいたが、ホストの友人はいなかった。「1人くらい、ホストの知り合いがいても良いだろう」という結論に至った僕らは、まずは「本物のホスト」を探すことになった。
 その日は当然歩き疲れているので、後日、時間のある時に地元の駅でホストクラブを探そう、と幼なじみと別れた。それ以来僕らは、以前は気にも留めなかった地元繁華街の裏側ばかりに気を取られる様になったのだ。これは新しい発見ばかりだった。20年以上も住んできた街でも、見えていなかったものが山ほどあったのだ。東京に住んでいる人間の方が、東京タワーに昇ったことがない様なものだろうか。とにかく、日常生活で当たり前に成り過ぎていた分、見落としていたものが多かった。
 僕の地元駅は夜の歓楽街としてはかなり有名な場所である。ヤクザの街としても有名で、発砲事件は絶えないのだ。そんな場所だからホストも多い。しかし街中ではホストらしき人を見るものの、肝心のお店が何処にあるのかわからない。歩いて探せるわけもないので、結局はネットで調べることになった。検索に引っかかったのは2件。アクセスマップを見て、大まかな場所を憶えて、近くに行く用事があった時には見てみようということになった。