apoPTOSIS:mod.HB

最近は写真日記。

ケロロ軍曹は物語かキャラか、であります

 吉崎観音ケロロ軍曹ガンダムエヴァからネタを気持ち良いくらいパクりまくりである。80年代アニメ世代には分かり易いネタばかり。ロボット、戦隊、怪獣、学園、戦う少女など当時を彷彿とさせるものばかりだ。ケロン星人の地球侵略が物語の柱になっているが、それすらもほとんどネタになっている。
 先日の「物語かキャラか」id:ain_ed:20041112では、「傾向としてキャラがメインであり、物語は交換可能である。結果としてクリエイターはキャラ作りをすることになる」と書いたが、ケロロ軍曹に至っては物語もキャラも超越、もしくはそういった枠組みを無視した作品になっている。
 70年代後半生まれで80年代を過ごした人間からすれば、ケロロ軍曹という作品だけで楽しんではいないだろう。というのも各話に必ずと言っていいほどのお決まりのネタが仕込まれており、アニメを見て育ったものであれば嫌でも反応してしまう。ガンダムを多くネタに仕込んでいるのも、それ以前の世代を視野に入れているのだろう。それ以外にも声優や製作者もくせ者で、アニメ好きであればあるほど、深みにハマル因子を多く含んでいる。
 若い世代にしてもケロロに萌えたり、女性陣に萌えたりすることができる。萌え要素は多分に含んでいるし、サービスは惜しみない。そういう観点に立てばキャラアニメなのだが、それだけではない。原作自体は1巻しか購入していないが、アニメ版の出来は素晴らしいものがある。SEEDの様な物語に乗りながらの商業アニメではなく、脱個性的な商業アニメに特化されたアニメがケロロ軍曹だろう。だからこそパクリが気持ち良い。押し付けられるものが何も無い。ただエンターテイメントとして楽しめる純粋なアニメである。そういう意味では、うる星やつらに近い作品作りなのかもしれない。