貴重な体験 5

　再度、働く子用の高校に編入した１７歳。その日はバイトがあったので、学校修了後すぐに帰宅した。その学校には最初の頃は電車で通学。自宅の最寄り駅に着いたのは、まだ明るい時間だった。階段を降りてたら、見たことのある顔がいる。そいつはチャリに乗っていた。そう、小・中学校の同級生。そこまで話ししたこともないし、男なので素通りして自宅へ向かった。スタスタ歩いていると、その同級生Ｓにチャリで抜かれた。チャリいいなぁ〜なんて思いながら、ボケーっと自宅へ向かう。自宅前の少し細い道に入ったとき、おかしなことに再度その同級生Ｓがあたしを抜いていく。コンビニにでも行ってたのか？と別に気にせずにいた。が、やっぱりおかしい。そう、またまたあたしをチャリで抜いていく。？？？３回目？どう考えてもおかしかった。少し嫌な気分になりながらも頑張って歩く。同級生Ｓは、あたしを抜いて道路を右に曲がり、見えなくなった。ホッと安心したのも束の間。またまた後ろから抜いていく。今度は３回目よりも接近している。あたしは気づいた。こいつはあたしの周りをグルグル回っているんだと。知っている顔なだけに怖くなったので、早歩きして自宅へ向かう。あともう少しのところで、今度は前から来た！目を合わさないようにしたら、肩にぶつかってきた。しかも、チャリ乗ったままで当て逃げされた。後ろを振り向く勇気もなく、ダッシュして自宅へ。何がなんなのかさっぱりわからず、考えてしまった。まぁ、あたしの周りをグルグル回る理由なんて、さっぱりわからないけど。とにかくこの日は、これ以上のことはなかった。この日はね・・・。これから長いこと、この同級生Ｓと関わることになるとは思いもしなかったけど。続きは次回で。