観光で立国するの?本当に?
海外で「日本」と言えば何が連想されるのだろう。刀?忍者?侍?着物?漫画?アニメ?メイド?コスプレ?では「イタリア」と言ったら?間違いなくファッション、食文化、世界遺産と日本人は答えるだろう。同様にイタリアに来ている外国人に聞いても、パスタ、ピザ、ファッション、ローマ、バチカンなど、大カテゴリーは限られている。
要するに「日本ブランド」の認知広告が下手くそなのだ。キリスト文化に全く親しみのない日本人でさえウフィッツィに行き、Primaveraを見れば最小限のうんちくをたれることができる。たれられなくても、「この絵、見たことがある」位の反応はするだろう。それが現状、日本で起こりえるのはアニメ・漫画くらいである。
何を武器に観光招致するのか。今から新しい物を作るのか。それとも当たり前の様に文化財でつるのか。台湾で行っている様な龍馬伝の売り込みをつぶさにするべきなのか。
電子書籍化に向けて、個人の持ち物を第三者に委託してPDF化することに、日本書籍出版協会がいちゃもんをつけているらしい。Youtubeに映像が流れることを逆手にとったのは角川だった。どちらが賢いのだろう。コンテンツを「お金をかけて正規にプロモーションし、違法に行う所には圧力をかける」やり方と、「できる限りフリーで、違法をコントロールする」やり方。文化財のデジタルアーカイブは、アーカイブする為にだけに行われているのだろうか。アーカイブされた結果、それは「ある特定の人間だけに」利用し易くなるのだろうか。利用することさえ、前提条件には含まれていないのかもしれない。
コンテンツをどう売り込むのか。その手法が全く確立されていない。自治体ごとに誘致をしてどうするのか。秋葉原を目指すのか。秋葉原の導線はあくまでもショッピングだ。如何に外国人観光客にお金を落とさせるのか。地方でそれが行えるコンテンツがあるのか。文化財でしっかり稼いでいるイタリアと、文化財を全く活かしきれない日本。その差を埋めるのが観光庁の役目か。文化庁はどうあるべきか。
そういった議論はいったい何処で行われているのか。観光庁のヴィジョンは平成21年以降出ていない。
忘れていた読了本
理科系の作文技術 (中公新書 (624))
木下 是雄
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地中海―人と町の肖像 (岩波新書)
樺山 紘一
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奈良・京都の古寺めぐり―仏像の見かた (岩波ジュニア新書 (89))
水野 敬三郎
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コトラーのマーケティング・コンセプト
フィリップ・コトラー 恩藏 直人 大川 修二
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ウェブ時代 5つの定理 この言葉が未来を切り開く!
梅田望夫
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ウェブがわかる本 (岩波ジュニア新書)
大向 一輝
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プレゼンを行うにあたり、という様な本が多かった時期。
人事異動:ソラニン(アジカンの方)
思い違いは空のかなた
さよならだけの人生か
ほんの少しの未来は見えたのに
さよならなんだ
というわけで、6月1日をもって人事異動となった。この1年で3回目の異動である。内2回は、部署内での勤務地異動だったが、今回は完璧な部署異動である。制作本部に戻るのかと覚悟を決めていたら、事業本部への異動だと言う。転籍も良い所なのである。
仕事内容も様変わりで、制作の面倒だけで良かったものが、全体統括が職務となった。営業のことなど知らないのである。給料は下がる一方でもある。そのくせ「栄転」と言うらしい。バカらしい話しである。やりたいことだけやろうと思う。
異動前に営業さんに飲みに連れていって頂く。ビール→日本酒。「純米酒だけ」と言ったのに、きっと醸造アルコール入りがあったに違いない。途中から気分が悪くなり、ゲーゲー吐きまくる。吐いては話し、吐いては話しを繰り返す。
「タフ、だよねぇ」と営業さんは言う。「何がですか?」とお湯を飲む僕。「潰れないっていうか、家に帰ってもそんな感じなの?」「どういう意味で?」と、一端トイレに。「だから、家に帰っても『疲れたよ』とか『もう嫌だ』とかって愚痴、言わないでしょう?」「ええ、まぁ、どうかなぁ」と首を傾げる。「俺なんかさぁ、すぐに愚痴言うし、人に頼るし」でもお前はさ、と話を続ける営業さん。「仕事でも嫌な顔をしない。誰もがお前に頼ってる。家でも嫌な顔をしない」「はぁ」と気のない返事をすると、「じゃあさ、本当にお前が疲れたときとか、本当に辛い時って、誰がお前を助けるの?」と濡れタオルを差し出される。
その後も散々トイレで吐いて吐いて、胃の中はからっぽになったけれど、質問の答えは出なかった。「大丈夫か?」と何度か営業さんが心配をしてくれたが、つまりはそういうことなんだろう。「お前は本当に大丈夫なのか?」と。
「知らないところでストレスは溜まって、知らないところでお前を壊すぞ」的な内容だった。多分ただ僕を潰したかっただけなのだろうけれど、残念ながら吐くばっかりで意識はしっかりしていて、物質的なもの以外は吐き出すことのない飲みだった。
たとえばゆるい幸せがだらっと続いたとする
きっと悪い種が芽を出して
もう さよならなんださよなら それもいいさ
どこかで元気でやれよ
僕もどーにかやるさ
そうするよ
ストレスはいくらでもある。ストレスフリーの社会なんて僕にはまっぴらごめんだ。そんなものは有機的ではない。仕事は、やはり仕事でしかないのだ。2,000人の人間を動かせる場所に居たって、残念ながら1人1人の幸福なんて考えてない。残った人間が必要な人間だ、くらいにしか考えていない。異動後早々に「この会社は今まで何をしていたんですか?」と会議で発言をしたら、「…残念ながら何も」という回答だった。
そういう人生は送りたくない、とただ率直に思った。
アップルでのジョブズの仕事について。
世界でも最高の仕事のひとつだと思う。世界でももっとも優秀な人たちと、最高の砂場で遊んでいる。
by スティーブ・ジョブズ
その他引用部分は「ソラニン」ASIAN KUNG-FU GENERATION 作詞:浅野いにお 作曲:後藤正文