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最近は写真日記。

大学のシステム:奨学金について

 ペルージャ大学では様々な奨学金が用意されているようだ。入学手続きに際しても、今僕がもらっている奨学金の他に色々と紹介された。僕はA.D.I.S.U*1というところに申請して、ウンブリア州から奨学金をもらっている。Adisuは学食や学生寮が完備されていて、ペルージャ以外のオリヴィエートやアッシジ、フォリーニョ、テルニなどのウンブリア州内であれば同様のサービスが受けられるらしい。奨学金の内訳としては、学費、学食*2学生寮*3、それ以外に少しの金銭援助*4である。
 申請は、日本ではなくイタリアで。大学の手続きをしながら、同時進行で行える。書類は、パスポートコピー、ビザのコピー、家族の年収、それ以外にインターネット上で質問に答えそれをプリントアウトするか、ネット上からも送ることができる。1番大切なのは家族の年収であって、これが低ければ低いほど良い。要するにこの奨学金は、日本の奨学金のような成績優秀者のみの権利ではなくて、大学に行きたくても金銭的に不可能という学生に対してのバックアップである。もちろん毎年それ相応の結果を出さなければならないが、別に学年でトップになるとかテストでは毎回何点以上とらなければいけないといったようなハードルはない。ただ単にテストを受けて定められた単位数を取得すれば良いだけである。
 日本であれば奨学金と聞くと、いずれは返還するものという意識があるが、イタリアの場合は違う。規定以下の単位数だったり、途中で大学を辞めるような場合は返還の義務が生じるかもしれないが、大学を卒業することができれば返還しなくても構わない。イタリア人学生からすると返還しなければいけない奨学金というものがピンと来ないようだ。これは学問とビジネスでも書いたが、学生の捉え方が日本とイタリアでは根本的に異なるので、どうやっても相容れることはないだろう。
 イタリア政府給付金に関しては、申請の際に日本に帰らなければならないようで、この奨学金を申請する学生のほとんどが単科生になる。また書類など修士以上の学生を対象にしたものが多い様に感じる。日本の大学に属しながら研究目的での1年間のイタリア滞在であればイタリア政府給付金を申請するべきであろう。僕のように学部からイタリアの大学に通い、卒業を目的としている場合はその地方それぞれの奨学金システムを利用した方が、大学生活においても様々な面で便利である。

*1:Agenzia per il Diritto allo Studio Universitario

*2:平日の昼・夜のサービス、日曜・祝日は定休日

*3:基本的には2人部屋なので、自分で部屋を他に借りる場合は学費と学食だけのサービスも受けられる。学生寮に入ることは義務ではない

*4:これも人に依って違う。年間1400〜2500ユーロほど