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最近は写真日記。

大学のシステム5(1年目授業終了)

 ペルージャ大学の前期と後期の授業が全て終了。後期の授業が終わったのは5月21日。4月中旬からは週6時間だけの1コマしか授業がなく、前期に較べてゆったりと過ごすことができた。前期と後期全て合わせて8つの科目が必修であった。僕が属す文化財考古学、人類学コース:Corso di Laurea in Scienze dei Beni Archeologic e Antropologiciでは、3年間のカリキュラムは固定されていて、選択科目は3年になってからしか選ぶことができない。もちろん受講はできるが、単位を取ることはできない。それでもエトルリア学は受講しておきたかったので、無理やり前期に受講した。結果として前期の時間割りは酷いものになったが、早い内に「忙しい」イタリアを経験しておいて良かった。
 イタリア文学:Letteratura Italianaは以前にも書いたように、主に演劇史である。ルネッサンスから始まり、ゴルドーニ、アルフィエリまで。一応その中でも柱が2つあって、音楽劇と喜劇だった。女性教員が、綺麗なイタリア語で2時間ぶっ続けで授業をした。
 ギリシア史:Storia Grecaはクレタから始まり、ヘレニズムまで。高校の世界史で学び、後はつまみ食いのままだったので、しっかりとギリシア古代史を通して学ぶことができた。スライドを多用していて、ギリシア語が日常的に出てくるのだが、最初は慣れるのに大変だった。男性教員が教えていて、この人は他の学生にも人気で、授業も面白かった。
 ギリシア美術史:Archeologia e Storia dell' Arte Grecaは始め、何の話しをしているのかわからなかったが、途中から授業に追いつくようになった。ヴィンケルマンの話しだけで3コマを潰し、パルテノンの話しに至っては2週間連続で同じテーマだった。こればかりは基礎がないのでAmazonで本を注文し、日本から送ってもらった。取り上げられているものはほとんど同じで、日本語で読んでようやく授業を理解することができた。授業は主にスライドを見ながらで、教員は男性。ギリシア彫刻がスライドで映し出される度に、1人で興奮していて、大学の文系の教員は万国共通なんだということを知った。
 文化財法:Legislazione dei Beni Culturaliは、他の授業と時間が被ったりしていてほとんど出席することができなかったが、実際出ても意味がなかっただろう。というのもまるで話しを聞いていても意味がわからなかったからだ。教員は男性と女性で、主に女性、しかも若くて、しゃべりがメチャクチャ早くてついていけず。おまけに友人に聞いても、まるでわからないと言う。イタリア人が聞いてもわからないような話しは、外国人にはわかりません。
 先史時代:Preistoria e Protostoriaは、人間の進化の歴史から、考古学の方法論など。ネアンデルタールやクロマニヨン、地層学についても少し。女性の教員で、1度だけiBookを用いて授業をした。
 原史時代は先史時代の続きで、女性教員が1ヶ月受け持ち、その後男性教員に交代した。遺構や遺物の捉え方、層位学と型式学などが主な内容で、時には土器の作り方をビデオで見たり、ローマの博物館に見学に行ったり。方法論に関しては問題はなかったけれど、イタリアの先・原史時代については復習をしなければならない。
 古生物学:Paleontologiaはリンネの2名法に始まり、化石、タフォノミー、層序学、進化論など。どれも日本語ではしっかりと学んでいないのでこれも本を送ってもらう。教員は男性2名で、1人は教授、1人は助手ということだったが、助手の方は23歳だという。凹みます。古生物学は、生物学、進化論の復習が出来て、授業内ではなくて、個人的に楽しんでしまった。
 歴史比較言語学:Glottologiaは、インド・ヨーロッパ語族の定義から、言語学の方法など。そこから発展してアルカイック・ラテン語の分析など。これも日本語の本を送ってもらったが、まだ勉強できず。テストを受けるのはきっと9月だろう。男性教員。
 一般化学・無機化学:Chimica generale e inorganicaは、化学式から物質の状態、原子の構造に酸・塩基まで。クラスメイトのほとんどが化学は苦手らしく、授業中に質問が飛び交っていた。教員は男性だが、難しい話しはしないで、日常的な例を出してイメージを与えて、その上で公式を覚えさせていた。これもテストを受けれるほどには勉強していない。何より、高校の2年目からずっと文系なので、中学理科から復習し直さないと途中でつまずく可能性がある。
 エトルリア学:Etruscologia e Archeologia Italicaはヴィラノーヴァ文化から始まり、基本的には美術史的な授業であった。教員は女性。有名なマリオ・トレッリはエトルリア学を教えていない。
 授業期間は前期・後期3ヶ月ずつ、計6ヶ月であっという間だった気がする。前期は授業について行くのがやっとだったけれど、後期は授業数が減って余裕ができた。2年目のカリキュラムはローマ史が中心になるのでもっと辛くなりそうだ。