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最近は写真日記。

大学のテスト:2004.1.9~2004.6.15

 僕が本格的なテストを受けたのは1月9日で、文化財法のテストが大学に入学して初めての口頭試験だった。内容は至極シンプルなもので、僕への質問は「日本の文化財を、イタリアで展示する場合にどういった手続きが必要か」だけだった。他の学生にしても質問は一つだけで、しかも基礎的なものだった。というのも文化財法を履修している学生は多いので、テストに時間をかけていられないようだ。日本での日本国憲法の講義と同じようなものだろうか。テストは合格。
 次に受けたのが1月30日。先・原史時代のテスト。一番最初に受けた学生は答えられず途中で退席。次に受けた生徒は、自分で用意してきた遺跡の説明をして終わり。あまりに教員の質問が厳しいので、他の学生は怖じ気づいてテストを受けようとしない。僕からしてみれば落ちても、次回またチャレンジできるという意識があるから駄目元で受けてみる。1枚の図面を出されて、その状態を説明しろというもの。半地下式の墓坑に、遺物が点在していて、その中心に人骨。その図面の隣には似たような形態の地下式坑に無数の人骨と青銅器が。要するに先・原史時代の差を説明しろということなのだけれど、頭でわかっていても専門用語がなかなか出てこず、1時間程説明して合格。
 2月16日はギリシア史。評判の良い男性教員で、テストも楽しめた。質問は前5世紀ギリシアの概要と、ポリスの形態。それとヘロドトスについて。もっと突っ込んだ質問があるのかと思ったが、流石に学部の1年ではそこまでやらないようだ。30分程で終了。合格。
 後期授業を挟んで、5月31日は古生物学。進化論と方法論を中心に勉強していたが、質問も結局同様のものだった。種の定義やタフォノミー、層序学について。30分程で終了。合格。
 最後は6月15日のイタリア文学史。このテストは去年筆記の小テスト等があったが、教授と話して全てのテストを口語にしてもらった。イタリア文学史が今年度、僕にとっては最難関のテストだった。質問はイタリア演劇史の概要と、ゴルドーニのIl Teatro Comicoについて。20分程で終了。合格はしたが、今までのテストで最低の点数。イタリアのテストは、結果が気に入らないと再試験を受けることができるが、僕はもうこの勉強をしたくなかったので単位を優先。
 残りの3つの教科は9月へ。エトルリア学に関してはゆっくりと勉強するつもりなので、急いでテストを受けるつもりはない。しかもテストを受けたところで単位はもらえないので、あまり影響はしない。今の時点で教科5つ終了という学生は少ないようだ。日本人だからというのもあるのだろうが、点数も甘い。イタリア人学生はどちらかというと、テスト会場には行くものの、他学生のテストを見て怖じ気づいてしまうケースが多い。もしくは受けるとは言いながらテスト会場にさえ来なかったり。日本の様に年に1度しか受けられないテストではないのだからと僕は思うのだけれど、彼らにしてみればやはりかなりのプレッシャーなのだろう。十代の学生と一緒にテストを受けるというのも、この先あまり経験できるものでもないだろう。