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最近は写真日記。

放浪息子:志村貴子:敷居の住人

 吉野朔実のPeriodを購入した際に、同時に購入した放浪息子。前作の敷居の住人が、僕の好みの作品だったのでついつい買ってしまった。それにしてもちょっと日本を離れているだけで、これだけ知らない新作が出ているということに驚かずにはいられない。一般的に売れている作品であれば、分かりやすいのだけれど、自分の好みの作品は逆にみつけにくい。どうもこの調子で行くと、将来的には新しい漫画家*1を発掘する機会が無くなるんではなかろうか。
 敷居の住人は、髪がミドリ色、飲酒に煙草、授業さぼってゲーセン通い、それでいてじゃにーず系の男子が主人公。時期は中学から高校卒業までで、人生と言うよりは、もう本当に男女の悩みばかり。じゃにーず系というくらいだから、モテモテの主人公なのだが、そこは思春期。「女ってホントにくそったれだよ!!」なんて思いながらも、恋をしたり独りよがりだったり。ある意味もう1人の主人公である美少女の成長の方がメインだった気もする。
 モテモテの主人公なのだけれど、自分の恋はまるで上手くいかない。それでも友人や周囲には羨ましがられて、誰も彼を理解してくれない。彼に近づいた女子は「陰気なチビ」と結局、彼を「玩んだり」。結果として理解し得たのは、もう1人の美少女だけだったというお話。そんな美少女がいたら良いのですけれどねぇ。現実にはいませんね。
 放浪息子はまだ1巻しか購入していない。読んでいて気になったのは、絵が手抜きなのか、下手になっているのかわからなかったということ。特にキャラの服装。敷居の住人では、ozoneやらHisやら、pizza of deathのトレーナーなんかが描かれていたけれど、今回は何だか白い。今回のキャラが小学生高学年というのもあるのかもしれないけれど、最近では彼らの方が服に金を使っているだろうなという感じ。
 主人公は2人。男子に成りたい女子と、女子になりたい男子。平凡のストーリーで、1巻だけではパンチに欠ける。敷居の住人では良いところついてるなと感じたのだけれど、今回はどうだろうか。

「いいよ、もうあんたたちのことは。あたしは、さっさと次の場所に行くから。どこに行くんだか、よくわかんないけども、行くことに決めたから。ありがとう、さようなら」

「傷は必ず癒える。時が解決してくれる。それは確かに、そうなんだけれど。ただね、その時を刻むまでの道のりを考えたら、ちょっと気が遠くなってしまったっていう、それだけのことなんだ」
志村貴子敷居の住人」1〜7巻
敷居の住人 (1) (Beam comix)

「お姉ちゃんの夢は、アイドル高校で麻衣子ちゃんとクラスメートになることだって。バカだと思う」
志村貴子放浪息子」1巻
放浪息子 (1) (BEAM COMIX)

*1:自分好みの