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最近は写真日記。

折り紙コーナー最終日

 気がつけば日本文化週間も最終日。300羽足りないと言われた折り鶴の方も、17時頃には千羽を越え、その場で糸を通した。先日居合いが行われた講堂では、日本人に依るコンサートが行われ、そちらの方も大盛況だった様である。
 日本人だけでなく、様々な国の人が参加し協力し、千羽鶴のみならず、この日本文化週間全体も成功に終わった。先日の居合い演武の後にも、寿司やテリヤキ、唐揚げなど簡単に料理できる日本食が振る舞われ、日本料理屋が1軒もないペルージャにおいて、イタリア人にとっては良い文化交流になっただろう。
 折り紙コーナーでは、毎日通い続けたイタリア人が既に様々な折り方を習得し、逆に日本人が教わっていた。またこの数日の間に折り鶴を憶えた学生が、様々な場所で折り鶴を折って見せているらしい。これから数日間は、カプチーノを飲む度に折り鶴を見かけることになるかもしれない。何よりも、折り紙コーナーがイタリア人学生にかなり好評だったため、1ヶ月に2回はペルージャ外国人大学にて折り紙コーナーを設けるという話しも出ている程である。
 折り上がった千羽鶴を数えると、様々なメッセージが記されている。イタリア人が書いたと思われる平和という漢字。もちろんイタリア語でPaceとも書かれている。英語やタイ語、中国語、スウェーデン語など、各国の学生が鶴を折り、メッセージを残してくれた。この千羽鶴は、12月に行われるペルージャ映画祭に展示され、その後広島に持って行くという。これは日本文化週間を企画した日本人講師の出身が広島だからであって、広島と長崎を比べた結果ではない。
 たったの4日で折り紙を知らない外国人に折り紙を教え、そして目標の千羽に達することができた。僕が折った鶴は50羽にも達しないはずだ。始めてのイタリア人には折って見せたりするが、平均して20人は居るので、自分が折り上がる前に、結局見て廻らなければならなかったからだ。ただそれでも情報は伝播する。文化がどの様に伝播するのか、その一端を垣間見た気がするのだ。紙の持ち方も、折り方も知らない外国人が、日本人がそうする様に、鶴を折れる様には成れるのだ。