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最近は写真日記。

ペルージャに足りないもの

 ペルージャに足りないものは山ほどあるのだが、日本人がいつも困るのが美容院である。もちろんペルージャにも美容院は沢山あるのだが、あまり利用されない。と言うよりも、利用したくない。僕は1度も行ったことが無いのだが、チャレンジした日本人のbefore-afterの髪型をこっちに来てからずっと見てきた。一言で言えば、悲惨である。
 例えば僕と同時期にペルージャに来た女性二人が美容院に行った。ただ5センチほど毛先を切って欲しかっただけらしいが、結果的にはパーマまであてられていた。しかもおばさんパーマである。またある友人も伸び切った髪に我慢できなくなり、美容院に行ったらしい。彼は既に悪い噂を聞いていたので、事細かに指示を出そうとしたらしい。「普通のハサミじゃなくて、こっちのスキバサミを使って」と言っているにも関わらず、気がつくと普通のハサミでバサバサと刈られていたとか。そして彼も結果的におばさんパーマをあてられていた。とにかく「あそこの美容院は上手い」等という話しを聞いたことがなく「あそこだったら、まだマシかな」というくらいのものだ。
 諦めて理髪店に行っている男性の方が、美容院に行くよりも結果的にはマシではある。別に理髪店主の方が技術が上とかではなく、「される髪型が決まっている」だけ、ある意味安心なのだ。馬鹿の1つ憶えで、長年やって来たのだろう。日本で言えばリーマンカットである。変な髪型にされるよりは、リーマンカットの方がマシなのである。
 結局美容院にも理髪店にも行きたくない日本人達は、自分たちで髪を切ることになる。自分で切る人も居れば、友人に切ってもらったり、男性は遂には面倒臭くなってバリカンで刈ることになるのだ。中には金を取って他人の髪を切る日本人*1も居たが、基本的にはそれぞれ楽しみながらお互いの髪を切っているようだ。
 僕はいつもイタリアに居る間は、伸ばしっぱなしにしているのだが、今回久しぶりに切ってもらった。イタリアで髪を切るのは2度目である。1度目は料理を学びに来ていた友人に。一般に「友人に切って」もらう場合、器用な友人を選ぶことになるのだが、結果的に料理人を選んでいる場合が多い様だ。綺麗に切れてるな、と思って尋ねると、大体が「ああ、彼料理人なんですよ」という答えが返ってくるのだ。
 今回は偶然にも美容学校に通っていた子が居たので、安心してその子に任せることができた。道具もほぼ一式プロ用のものが揃っていた。切られて、落ちた髪を見ても、プロが切った様にまとまっている。素人が切るとこうはならないので、流石だな、とその場に居合わせたkojiさんと頷いていた。
 日本料理屋やラーメン屋が、ペルージャに無いのはいつも話しのネタにはなる。フィレンツェのラーメン屋にはまるでイタリア人が入っていなかったが、居酒屋程度で店を開けばペルージャでは国籍関係なく人が入りそうである。ただ店舗を借りるとなると色々な困難があるために、誰もが途中で諦めることになるのだ。
 美容院ならばどうだろう。院とまではいかなくても、シャンプーできて髪を切れれば良いのだ。天気が良ければ屋外でも良い。日本でプロとして働いていた美容師ならば、そこに料金が発生しても誰も文句は無いだろう。対象はほとんど日本人になること間違いないが、大々的に日本語で宣伝すれば、小遣い稼ぎ程度にはなる。
 美容師を辞めて、ペルージャに来られる方が居ましたら、そういったお小遣い稼ぎを考えてみてはどうでしょうか?ちなみに今回の僕の髪型のテーマは「80年代、アイドル雑誌明星の表紙を飾る髪型」である。この髪型でシエナフィレンツェを歩いたが、妙に韓国人、中国人から凝視されていた。あまりにも見られているので「ボク、ドク。ハシ、ツクリタイ」とかほざいてしまった。

*1:特に美容学校に通っていたわけでもない