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最近は写真日記。

ミラノへ555! feat. チャー&TAMA 前編

 「明日は朝一でミラノなんで」とか言いながら、前日の夜は深夜3時過ぎまで僕の家でマッタリしていた2人。彼らの日程は日曜日ミラノに行き、月曜は買い物、火曜の朝に最後の晩餐を見て、午後にはヴェネツィアに向かうということだった。ペルージャに戻っては来るものの、直ぐにローマに向かい、そのまま帰国という予定らしい。
 2年近いイタリア生活の中で、僕はフィレンツェよりも北に行ったことが無い。ミラノにもヴェネツィアにも。そこで何となく思い立ってしまった。今週は復活祭で授業も休みである。ミラノに行って帰って来れるくらいの金銭的な余裕も、今ならば少しはある。しかし泊まりで行くとなると、それなりにお金がかかるので、今回は日帰りで下見でもしておこうと、無理矢理「ミラノ日帰りプラン」をたてた。この時点でチャーくんに電話を入れ「もしかしたら何処かで会えるかもね」と伝えておいた。「……。もしかして、来るんですか?」と困惑していたが、直ぐに「ちなみに僕達が泊まっているホテルは1人60ユーロですよ、参考までに」と、相変わらず気の利くチャーくんである。多分そうやって沢山の女子を玩んで…。
 「ミラノ日帰りプラン」のスケジュールはかなりシビアである。行きは朝6:46、ペルージャ発のインターシティに乗り、昼12:05にミラノに到着。5時間20分の片道。また帰りは17:50、ミラノ発のインターシティに乗り、23:15にペルージャ到着である。つまり行きに約5時間半、ミラノ滞在約5時間半、帰りも約5時間半とかなり無謀なものになったのだ。どうしても辛そうならば向こうで宿を取ろうと思ったが、シエナフィレンツェにも一緒に行ったもう1人の友人と話した結果、日帰りを目標に、ということになった。
 Yahoo! Italiaで天候を前もって調べると、ミラノの気温はペルージャよりも高めで天気も良さそうだった。朝、夜は相変わらず冷え込むものの、最近昼間は薄着でも居られるくらいに温かくなっており、Tシャツにジャケットという春向きの格好で出かけた。といっても流石はペルージャで、やはり朝6時の気温はかなり低かった。おまけにYahoo! Italiaでは快晴に成っていたはずが、どうも雲行きが怪しかった。
 予定通り電車に乗り込んだが、1つミスをした。お弁当を買い忘れたのだ。水は持って乗り込んだものの、流石に5時間の旅で何も食べられないのは辛かった。お腹が成りっぱなしだった。日本の様に駅弁販売があるわけではないので、ただ空腹に耐えるしかなかった。
 12時過ぎにはミラノに到着。冷静と情熱のあいだのシーンを思い出した。しかし天気予報とは裏腹に、空は曇り空。薄着の僕らには流石に肌寒い。とりあえず帰りのチケットを買い、チャーくんに電話する。「着きました?ドゥオモに居ますよ。え?地下鉄に乗って下さい、駅出ると直ぐにメトロの表示がありますから」と、右も左もわからないミラノで少しばかり右往左往する。ちなみにこの時点で12時半。17時半には駅に戻って来たいので、残り約5時間。
 地下鉄に乗り、ドゥオモを目指す。地上に上がると目の前に補修中のドゥオモが目に入る。噂通りファサードがシートで覆われており、「これがミラノ大聖堂かぁ」などと感動もできない。補修が始まったのはかなり前で、街のシンボルであるドゥオモを、長い間シートで覆われたまんまにしておけるイタリア人の気が知れない。「仕事しろよ」とか独り言言いながら、チャーくんに電話しようとすると、友人が彼らに気づく。
 僕らが上がってきた地下鉄入り口の直ぐ後ろに、チャー&TAMAが座っていた。「お!偶然じゃ〜ん、何してんの?」と近寄るが、チャーくんは「いやいや、本当に来ちゃったんですね」とやはり少し驚いた様子。TAMAに至っては、「えぇえええ?何でここに居るんですか?」と目が点に成っていた。「っていうか、とりあえずお腹減ってるんですよ。もう食べちったの?」と聞くと、「そんなことしませんよ。待ってたんですから」と優しさ国際B級ライセンスのチャーくん。「イタリアで、多分一番豪華なマクドに行きましょう」と歩き出した。