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最近は写真日記。

カフェ・モルラッキでアサヒ祭り

 id:barmarikoペルージャに居たら招集がかかっていたであろう、今回のフェスタ。ただまだペルージャに居たとしても、以前にもそのモルラッキで寿司バーティが開かれ、彼女は酷い思いをしており、100%参加しないのは確実である。「カフェ・モルラッキで寿司(二度とやらない)前・後編」id:barmariko:20050204、id:barmariko:20050205、そして「カフェ・モルラッキ」の写真id:barmariko:20050218を参照。前回はシスコという人間が企画したために、最後の最後までグダグダに成ってしまった。その時僕はDJをすることに成っていたが、インフルエンザのために欠席だった。
 このカフェ・モルラッキ、僕が通う大学の校舎の目と鼻の先にある。そのため授業に行くにはどうしても前を通らないといけないのである。ある日のこと、授業が終わり学食に向かおうとした矢先に声をかけられた。振り返るとカフェ・モルラッキのオーナーのステファノだった。「あのさ、今度日本のビールパーティをやろうと思うんだけれど、何だっけ、ほら、名前。日本のビールの?」と彼は必死に思い出そうとしているが、(日本のビール?イタリア人が知ってるわけ無いな。どうせ中国ビールと間違えてるんだろ)と勝手に解釈し、「ああ、チンタオでしょ?」と応えた。するとステファノが「違うよ、それは中国じゃん。日本のだよ」とつっこまれる。「じゃあ、アサヒかキリン…(エビスは無いよなぁ)」ステファノが反応して「そうそう、アサヒ。アサヒフェスタをするから、DJ、お願いね」と彼は仕事に戻ろうとする。
 しかし今期は馬鹿みたいに授業が多いので、絶対に平日は無理だ。「いつ?平日は絶対に無理だよ?」と大声で聞くと、「ああ、大丈夫。22日の金曜日だから」と仕事に戻ってしまった。前回とは違い、シスコが絡んでおらず、しっかりとステファノが企画しているので、任せておけば良いだろうとそのままにしておいた。
 アサヒ祭りの週始めにはフライヤーができあがっていて、モルラッキでも大々的に宣伝していた。もう1人のオーナーであるパオロも、お客さんの会計をする度に「今週末は日本のビールが飲めるから」とそれぞれにフライヤーを配っていた。心配だったのは、そこに書かれていたSUSHIである。前回のこともあり、何となく想像はついていたので、「日本人はできる限り呼ばない方向で」と自分の中で決めていた。
 しかしフェスタ3日前に成って、ステファノから「日本人は大丈夫?来そう?」と言われ、「え?う、うん」と曖昧な返事はしたものの、あまり声をかけていない。結局その足で日本人授業に参加している、日本人学生に「アサヒビールが飲めますので来てください。寿司はまぁ、イタリア人が作っているので…、アサヒビールだけ飲みに来てください」と宣伝してまわった。今回は寿司が駄目でもアサヒがある。
 フェスタ開始は22時30分だったが、僕がモルラッキに着いたのは22時25分頃だった。お客さんは居ないに等しい。店内を見渡すと日本で良くみるアサヒの布製立て看板が。パオロもアサヒのハッピを着ている。今回は本格的にアサヒがスポンサーに成っている様だった。
 ブースでiBookを繋げようとすると、ラインが合わず、結局カウンター内でDJをすることになった。要するにレジ裏でiBookをいじるのである。お客さんからは何をしているのかまるでわからない。キッチンにいくと既に寿司は用意されていて、噂に聞いた通り煎りゴマ満開であった。つまりあのコックは既に居なかった。しかも今回は寿司に金を取るという。写真が無いのが残念だが、1皿3ユーロで、始まる前から「これって本当に買う人間がいるのか…?」と不安に成った。ちなみにアサヒビールはアルミボトル1本、3.5ユーロである。中生を頼むよりは安い。
 23時をまわって人が入り出し、気がついた時には人が席に着けず、フロアを歩けない状態になった。心配していた寿司も無知のイタリア人は「美味しい」と言っては、アサヒビールと一緒に注文していく。日本人のお客さんもアサヒを注文しながら、恐いもの見たさで寿司を食していたようだ。0時に成る頃にはアサヒビールは売り切れたが、お客さんの入りは止まらず、ビールの代わりに寿司が売れ続けた。
 途中で問題の寿司を1皿貰ったが、渇きまくりで、ワサビ醤油の味で誤魔化すしか無かった。僕は寿司なんかより、売れ残っていた生ハムパニーノが食べたくて、お客さんがいなくなってから、パオロに貰って食べた。2時半過ぎにはお店を閉め、前回の様なイザコザも無く、売り上げもかなり良かった様で、2人のオーナーは満足している様だった。DJをしていると、お客さんの視点がわからないので何とも言えないが、シスコが入らなければ何の問題も無く事は進む様である。
 また僕はイタリア人に対して諦めが付いているので、期待度が低い。イタリア人は、イタリア語を知らない日本人が、イタリア文化を少しでも知っていると「Bravo!」と言うが、それと同じくらいに僕は彼らに対して「Bravo。君は凄いね。何でも知っているんだね」と言う。DJを頼まれても、彼らが動き出さないことには、絶対に自分からは動き出さない。基本的に労働でイタリアにいるわけでは無いので、彼らに対しては「どっちでも良いよ」という姿勢でいるのだ。やはり仕事面でイタリア人とつき合っていくのは、僕には無理な話しなのである。